一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
エプソムCはアンノートルに騎乗
2019/6/6(木)
先週から2歳新馬がスタート。2頭に騎乗しましたが、コスモカッティーボ(7人気6着)は前に出して行った馬が3角でブレーキをかけてしまい、こちらがハミを取ったタイミングで逆の動きとなり勿体無いシーン。スムーズに捌けていれば掲示板はあったレースでした。次走はゲートも出るはずなので、様々な上積みが期待できそう。スリリングドリーム(4人気6着)は調教ではいい意味でフワフワと走れていたものの、レースでは思っていた以上に前半から力んでしまいました。ただ、敗因は明確で、慣れと上積みが見込める次走はこの馬も違うはず。着順ほど内容は悪くなく悲観していません。
この土曜は東京で4鞍に騎乗します。1Rのシークザトゥルースはブリンカーを着けた前走で内容が一変。間隔が空いた分がどうかもいい素質を持っており、条件も合いそうなので楽しみにしています。2Rのアナザークイーンは初ダートの前走の走りが凄く良かった。集中力が途切れてしまうところがあるため、続けてのダート戦でもう少し流れに乗れるようであれば前進が見込めます。5R(2歳新馬)のアルカウンは明日(金曜)の朝にゲートから乗せていただきます。感触を掴んでレースに臨みたい。12Rのキスオンザグリーンは地方のダートで勝って戻ってきた馬。中央では初ダートになりますが、適性に期待しています。
日曜も東京で6鞍に騎乗します。エプソムCのアンノートルは今朝の追い切りに乗せていただき、好調維持を確認することができました。コントロールしやすい馬なので、1ハロンの距離延長は全く気になりません。2歳時以来の重賞で相手は一気に強くなりますが、この馬も充実期に入っており前走の時計と内容なら引けを取らないはず。1Rのアニヴェルセルは久々かつ初ダートの前走内容が悪くなかった。牝馬限定かつダートの続戦で前進が見込めそう。3Rのアマレーンは使いつつ着実に前進しています。1400mで脚をタメるアプローチをすれば差がない段階まできているはず。
4Rのシックガニアンはゆったり運べる東京コースが合っています。瞬発力勝負になると分が悪いので、崩れそうな天気も味方してくれそう。使い詰めのローテで来ているので、こういったタイミングで決めてあげたい。5R(2歳新馬)のラシカルガイブはゴールドシップ産駒らしく、気性面でやんちゃな部分があります。距離1800mはいいはずなので、次に繋がる内容を意識しつつ、最善の結果も出せればと思っています。追い切りにはずっと乗せていただいており、明日(金曜)の朝にもゲートで感触を確かめての初陣となります。6Rのマイネルフィーストは初戦の内容を思えば、そこからの結果が案外。半年振りの実戦ですが、成長さえあればかえっていいほうに向いてくれませんか。
この時期は2歳馬が続々と入ってきて、毎日調教でバタバタしながらも充実した日々を送っています。来週からは函館開催も始まり、デビュー前のアルママやナイママを話題にさせてもらってから一年と思うと本当に早いです。今夏も福島と新潟が主戦場になりそうですが、また北海道にもワクワクしながら乗りに行けるようなチャンスを掴めるよう頑張っていきたい。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。