一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
中山競馬場でお待ちしています
2019/9/19(木)
各馬それぞれ頑張ってくれているのですが、先週も勝つことができず。そんな中でも、マイネルチューダ(7人気4着)はとりわけ内容があるレース。まだ心身ともに幼い面を残していますが、一戦毎に変わっていきそうな期待を抱かせてくれました。マイネルバサラ(7人気7着)は復調していましたが、外から行った勝ち馬にペースを落とされて途中からモマれる流れとなり、キックバックを嫌がるこの馬には展開がかみ合わなかった。もう少し外目の枠を引けていれば、違った結果になったかもしれません。一方、セントライト記念のナイママ(16人気9着)はまたしてもの8枠。馬体が増えたのは成長分で、理想どおりの競馬もできました。体も使えるようになって、上手に走れています。内枠同士で決まる展開で2着以下と僅差ですから、次なる機会で巻き返したい。
この土曜は中山で4鞍に騎乗します。1Rのトロピカルビーチの初戦はかなり周りに戸惑って、ハミを取ってくれたのは本当に終いだけ。2戦目かつダートが向いてくれれば前進が見込めます。5R(新馬)のプラチナスターは2週続けて追い切りに乗せていただきましたが、いい雰囲気を持っている馬。ただ、幼さを残してのデビューなので、先々にも繋がる競馬を意識したい。6Rのマイネルセリオンは未勝利勝ちから間隔は空いていますが、しっかり乗り込んで好仕上がり。追い切りで負荷をかけつつ感触を確かめているので、昇級の力関係につきるところです。11Rのニットウスバルの近2走は馬に気持ちが入っていなかった感じ。輸送や連闘で暑さに堪えた部分があったのかもしれないので、少しでも涼しくなり、走り慣れた舞台に戻るここで巻き返してくれませんか。
日曜も中山で4鞍に騎乗します。2Rのユニティコの前走は、レースを終えて熱中症気味だったようです。デビュー2戦の感じからも、あんな馬ではありません。スタートが上達しており、改めての1200mでも流れに乗って行けると思います。3Rのステラドーロも前走はらしくない結果で、疲れがあったかもしれません。この中間はカイ食いも落ちておらず、追い切りに乗せていただいて好調を感じています。輸送が短い中山コースもプラスに働くはず。5R(新馬)のマイネルチェストは競馬で初めて跨りますが、兄弟にも乗っている血統で楽しみ。万全の態勢で出していただけるはず。7Rのアルママの前走は上がりの速い競馬に対応できませんでしたが、距離短縮と時計がかかる馬場で変わってくれませんか。変わらず順調にきており、今後への見通しを立てたい一戦です。
今週は日曜の最終レース後(16時45分~)にジョッキーフレンドパーク2019というイベントがパドックであります。雨天の場合はメディアホールで内容を変更して行うとのことですが、ジョッキー全員参加のクイズや4チーム対抗戦綱引きなど盛り上がる内容になっており、競馬ともども好天で迎えられるといいのですが……。最後(7R)の騎乗から時間があるので、力を溜めて競馬場でお待ちしています。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。