一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
勝って締めたい!中山最終週
2019/9/26(木)
なかなか勝ち切ることができず苦戦しています。先週はユニティコ(3人気)の3着が最高着順。前走は暑さに堪えていた印象だったので、立て直した今回が本来の走り。あの内容の競馬ができれば、次走は改めて楽しみです。ステラドーロ(3人気4着)は逃げた3着馬を捉えられる感触だったのですが、最後は同じ脚色に。気を抜きながら走るところが出てきたので、次走に向けて調教から工夫していきたい。アルママ(3人気4着)はもうひと脚が課題になるものの、内容は悪くなくマイルの流れは合っています。適度に時計がかかる馬場と展開なら勝利に近づけるイメージが持てました。
今開催の最終週となる土曜は中山で5鞍に騎乗します。1Rのマイネルワルツの前走は、3戦目で暑さなどに堪えていた印象。直線の最後は苦しがって、自分からやめてしまっていました。立て直して良くなったと聞いているので、このタイミングで巻き返せませんか。2Rのコスモギンガの初戦は周りに気を使ってハミを全く取らず。2戦目で競馬を覚えてピリッとしてくれていれば、調教の雰囲気などからも変わってくるはず。9Rのコスモカッティーボの前走は好内容で勝利。間隔こそ空きましたがリフレッシュできていい状態です。1勝馬同士のオープン戦で、次走以降に繋がる内容にしてあげたい。10Rのキューンハイトの前走は少頭数で上手く立ち回ることができました。頭数増こそ鍵になりますが、最終週の馬場は歓迎なのでスムーズに馬郡を捌きたい。
日曜も中山で5鞍に騎乗します。2Rのコスモビートイットの前走は着順こそひとつ下げましたが、レース内容には進展がありました。一戦毎に良くなっていきそうなイメージがあり、中山コースにも対応してくれるはず。改めて力が入ります。3Rのバイカルの初戦は馬がレースと分からずに走っていましたが、直線は一生懸命に走って掲示板確保。使った分の上積みが見込めそうなタイプなので、競馬を覚えてくれていれば、時計を短縮してくれると思います。5R(新馬)のコスモプロケッラは追い切りに乗せていただきましたが、気のいいタイプで仕上がりは進んでいます。掛かるくらいの行きっぷりだったので、初戦から上手く流れに乗ってくれそう。7Rのマイネルエキサイトの前走は好位で競馬ができて、いい感触を掴むことができました。そもそも使いつつ調子を上げていくタイプ。一度使った上積みが見込めるので、多頭数でもいい競馬をしてくれると思います。
先週は最終レース後のイベント、ジョッキーフレンドパーク2019にお集まりいただき有難うございました。天候がもってくれたのは良かったのですが、例年に比べると分かりづらかったかなという反省も残りました。課題を次回に活かしたいと思いますので、またお付き合いください。週明けの休日は、上野の東京都美術館にコートールド美術館展 魅惑の印象派を観に行ってきました。僕が一番好きな絵画展でもあり、気分転換に最高でしたね。12月15日(日)までやっているので、また足を運んでしまうことは間違いありません。必ずあと1回は行こうと思っています。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。