一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
東京競馬は月火開催になりました
2019/10/10(木)
先週はマイネルクラフト(6人気)の3着が最高着順。やはり東京2400mが一番合っていますね。間隔を空けたことでリフレッシュされており、返し馬の段階からヤル気を表に出して、レースに行ってもいい内容で走ってくれました。毎日王冠のマイネルファンロン(9人気10着)は前半流れに乗って好位で運ぶことができたのですが、この馬にとっては時計が速すぎたという印象。コーナー4つのコースのほうが向いているタイプでもあり、条件さえかみ合えば巻き返してくれると思います。
とりわけ台風の上陸が気になる土曜は東京で3鞍に騎乗します(※追記 台風の影響により15日火曜にスライドしました)。3Rのステラドーロの前走は頑張っているのですが、どうも集中力に欠ける面がありました。今回はもうひと押しを利かせるべくチークピーシーズ着用。デビュー2戦の内容からも、集中して走ってくれれば前進が見込めます。5R(新馬)のマイネルデステリョは先週の追い切りに乗せていただきましたが、その時点で仕上がりの良さを感じました。一生懸命に走る馬で、パワーとスピートを兼備しているという印象。初戦向きだと思いますし、馬場悪化は全く問題なさそうなタイプです。
日曜も東京で6鞍に騎乗します(※追記 台風の影響により中止になりました)。2Rのマイネルチューダの前走はスタートを上手く出て、調教の良さが競馬にも繋がってくれました。この中間はさらにしっかりしてきた印象があり、もう一段の前進を期待しています。3Rのトロピカルビーチは、期待していたダート替わりの前走が案外の結果。ともあれ、スタートは上達して前進気勢が出ていたので、芝に戻れば変わってくれると思います。7Rのアルママは引き続き好調をキープしています。改めてマイルが合うことも分かったので、当日どのような馬場になるかがポイントではないでしょうか。速い時計の決着になると分が悪いので、少しでも雨馬場が残ってほしいところです。11Rのマイネルサージュは約2年振りの騎乗になります。ここのところの成績と斤量58キロで強気なことは言えませんが、かつて重賞に挑戦させてもらったりと思い入れある馬。次に繋がるような競馬をしてあげたい。
祝日開催の月曜も東京で3鞍に騎乗します。5R(新馬)のコスモクウは追い切りに2週続けて乗せていただきました。気持ちこそ入ってきましたが、まだ体を使えていないところがあり、経験を積みながら良くなっていくタイプかもしれません。現時点でどこまで頑張ってくれるかという楽しみはあります。12Rのレンズフルパワーは展開に左右されるタイプではありますが、かみ合えば食い込める力がある馬。東京1400mという舞台は一番合っているので、とにかく流れが向いてほしい。
冒頭でも触れましたが、3日間開催に台風19号の進路が相まって、少なからず影響を受けそうな週末です。ファンの皆さんも開催情報をご確認の上、安全に注意しながら競馬を楽しんでいただければと思います。最後に、菊花賞に向けて順調に調整が進んでいるナイママの話題を。この中間は大分涼しくなってきたこともあり、とにかく元気一杯。1週前追い切りは目一杯の負荷をかけましたが、全くへこたれず間違いなく調子を上げているという実感があります。次回の更新で最終調整後の感触を改めて書きますね。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。