一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
来る2020年に繋がる勝利を!
2019/12/26(木)
有馬記念ウィークはマイネルチューダ(7人気3着)が最高着順。メンコを着用して臨んだこともあり大分落ち着いていたので、ごちゃつくのが嫌だったのでハナへ。強いメンバーが揃っていた中でも最後は差し返してくれて、この馬とすれば全6戦で一番の内容でした。次こそは決めてあげたいと思います。コスモジャーベ(7人気4着)は使われながら調子を上げており、返し馬から自分が乗った2走前との違いを感じました。道中も狭い所をロスなく我慢してくれて、直線の最後はもうひと脚。先着されてしまった馬との差は感じましたが、組み合わせひとつで勝ち負けという段階です。
2019年の最終日になる土曜は中山で8鞍に騎乗します。3Rのトーセンリミテッドの初戦は大型馬で少し余裕があり、戸惑いながら走っていたという印象。そんな中でもよく頑張ったという4着で、一度使ったことにより追走が楽になるはず。時計を詰められるイメージを持っています。4Rのアイオープナーも初戦は戸惑いながら、最後までしっかり走りきってくれました。2戦目で改めて上位を狙っていきたい。5R(2歳新馬)のコスモカモミールは先週の追い切りに乗せていただきましたが、全体的な仕上がりは悪くないですね。ただ、どちらかと言えば使って上向いていきそうなタイプのように思えます。
6R(2歳新馬)のタイニーパワーは素直で走りがよく、デビューまで順調にきました。早い段階でゲート試験に受かっておりスタートはスムーズ。今の段階でどこまで頑張れるのか楽しみにしています。8Rのコスモエスパーダは今週の追い切りに乗せていただきましたが、動きが凄く良かったです。園田で2勝して戻ってきた馬ですが、中央にいた頃の最後は苦しがって自分で止めてしまっていた感じでした。この中間は気持ちが前向きになっており、ダート適性もありそう。1800mに懸念はなくないのですが、そのあたりを考慮しながら上手く立ち回りたい。10Rのウインフェニックスの前走はブリンカーで一変してくれました。もちろん今回も着用しますが、8ヶ月ぶりの久々がどちらに出るか。前走だけ走れば勝ち負けになるはずですが、年齢的なところもあり、当日の気配が鍵を握ります。12Rのコスモヨハネはここ3戦が好内容で、今回も崩れずに頑張ってくれそうなイメージ。スタートが鍵になるので、最終日なら外目の偶数番は悪くないと思います。上手く流れに乗せて、今年の締めくくりになるような競馬をしてあげたい。
今年は先週までで18勝。年始に立てた目標にはほど遠く、課題と反省が残る1年になってしまいました。最後の中山では自分のリズムを取り戻せていますが、10月の東京開催で勝てなかったことにより、一頭一頭で気持ちを切り換えて意識しないようにしても、どうしても焦りが先行してしまったのだと思います。ただ、あれだけ苦しんで我慢も思えたので、悔しさを必ずや来年の糧にします。1着を狙って勝てるような騎手になりたい。ともあれ、今年もまだ1日残っているので、2020年に繋がるような勝利を目指します。
※次回は1月4日(土)頃の更新予定です。プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。