一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
フェアリーSはスマイルカナに騎乗
2020/1/9(木)
全力で乗りましたが、新年一週目は勝利ならず。中山金杯のアンノートル(14人気9着)は道中の進みこそ良くありませんでしたが、直線では反応してくれています。ハンデ戦らしく直線一団になってしまって、捌ききれなかったところは残念でした。状態はもうひとつ上がっていた印象で、今の感じからすれば、距離はもう少しあってもいいかもしれません。アルマエルナト(8人気5着)は好スタートから道中、ラストと言うことがない内容でした。9歳を迎えましたが年齢的な衰えもなく、頭が下がる思いです。
今週は3日閒開催、土曜は中山で5鞍に騎乗します。7Rのパリッシュブルーの前走は地方からの転厩緒戦だったこともあり、初めての1200mが忙しかった印象。距離を延ばしてスムーズな競馬をしてあげたい。9Rのコスモカッティーボは調教の動きが良く順調にきています。競馬が上手で、今の中山の馬場も合うはずなので改めて期待しています。11Rのナイママは年末から順調にここまできました。この中間もずっと乗せていただいています。前走で3勝クラスに目途が立ちましたし、2200mの距離にも不安はありません。与えられた条件で頑張るしかないのですが、そろそろ枠順に恵まれたいです。
日曜も中山で5鞍に騎乗します。2Rのアルヒミストは馬を気にしてしまうのか、どうしてもブレーキをかけながらの走り。今回は初めて着けるブリンカー効果に期待しています。5Rのマイネルチューダも追い切りに乗せていただきましたが、変わりなく順調です。枠順を踏まえつつ折り合いに気をつけて、そろそろ決めてあげたいタイミング。ベストの中山マイル戦で力が入ります。
7Rのコスモハヤテは近走こそ案外も、かねてから素質を感じていた馬。未勝利勝ちのコースでロスなく運びたい。8Rのマイネルナイペスは1200mが少し忙しい印象ですが、枠順や展開がかみ合えば1勝クラスで通用するはずの馬。交流の前走内容に則って調子の良さを活かしたい。10Rのコスモジャーベは好調期間が長い馬で、続けて使えるのは調子がいい証拠。決め手の部分でもうひと押しほしいタイプですが、久々の2200m戦がいいほうに向いてくれませんか。
祝日の月曜も中山で5鞍に騎乗します。フェアリーSのスマイルカナは2週続けて追い切りに乗せていただき、状態の良さを感じています。課題になる落ち着きもあって、いい雰囲気でレースに向かえます。前走は枠の並びもあってハナになりましたが、折り合いを重視して位置取りには拘らないつもり。何よりも同じコースの続戦になるのが歓迎で、2勝している地力を信じて勝利を目指します。2Rのマイネルイリャルギは2戦目で1800mの距離がしっくりきました。この馬も同じコースの続戦で着順を上げられるイメージです。5Rのマイネルラクスマンの前走は折り合いがついて上手に競馬しています。カッとする気性など手の内に入れているので、乗り方ひとつで勝ち負けに持ち込めるはず。
来週から6週間の小倉開催が始まるのですが、今年は現地に滞在して、小倉競馬を主戦場に頑張っていきます。この3日間競馬が終了した直後に移動し、平日から小倉で調教に跨っていく予定。デビューして6年くらいは続けて行っていたのですが、初心を思い出してまた一から実績を積み上げていきたい。しばらくは違った環境になるので、来週の更新から現地ネタなども織り交ぜられればと思っています。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。