一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
今週から小倉で騎乗します
2020/1/16(木)
先週はスマイルカナ(3人気)でフェアリーSを勝つことができました。実は返し馬まで落ち着いていたものの、ゲート裏で段々とテンションが上がり発汗してきてしまって、スタートを切るまでは不安でした。内枠だったので外の馬の出方を見つつ戦法は決めようと思っていましたが、トップスタートから二の脚もバッチリ。身体能力の高さから違っていた印象で、そこからはリズムを崩さぬように走らせるだけ。直線に入ってからの反応もまた凄かったです。次走は阪神のチューリップ賞に向かう予定で、テンションを押さえながらも仕上げて、桜花賞と同じコースで力を出せる道筋を立てていきます。春が本当に楽しみになりました。
今年の初勝利になったコスモハヤテ(11人気)はマクりが上手くいきました。かねてから書いていたように力はあるのですが、一生懸命さを欠く部分があったので、思い切った運び方がかみ合ったのだと思います。一番いい時に乗せていただいて、関係者の皆様に感謝しています。マイネルイリャルギ(6人気2着)も中間しっかり乗ってくださって、良かった前走からまた上向いていました。今回は勝ち馬が強すぎただけで、相手関係ひとつという段階まできています。
前回更新でお伝えしたとおり、この土曜は小倉で2鞍に騎乗します。9Rのコスモレリアは小倉到着直後から調教に乗せてもらっています。少し間隔は空いていますが、とてもいいムード。平坦小回りコースがベストの馬で、今回は巻き返せる条件だと思っています。12Rのマイネルアプラウスも平坦小回りコースが合っています。久々の騎乗になりますが、かつてのイメージがいい馬なのでキッカケを掴んであげたい。
日曜も小倉で4鞍に騎乗します。4Rのブラックスプルースはここ2戦の着順が案外も、美浦にいる時から追い切りに乗せていただいており、状態の良さは把握できています。スピードがあるので距離短縮に期待したい。5Rのマイネルパイオニアも小倉で乗せていただいていますが、状態の良さが目立ちます。前走はスムーズな競馬でしたが、何となく脚がなくなった印象だったので、タメるなどひと工夫して前進を目指します。
先週は身支度してから3日間競馬に臨んでおり、レースが終わってそのまま空港に向かい、当日中には小倉に到着しました。火曜日から調教に乗り出しており、週末を迎えるのがあっという間。開幕週ということで騎乗数は少なめですが、関東馬も入ってくるので、来週は通常どおりに落ち着くと思います。しっかりと調教からコンタクトを取って、引き続き小倉競馬場で騎乗していく予定です。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。