一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
共同通信杯はエンに騎乗
2020/2/13(木)
先週はステラドーロ(2人気2着)が最高着順。輸送もクリアし、最後までしっかり走り切って内容は良かったと思います。惜しむらくは勝ち馬が強かった。次走で改めての勝利を目指します。ナイママ(4人気5着)は思っていた以上に馬場が乾いてしまったこと、2番手にいた馬が抑えてしまったことが相まって、有利な展開になりませんでした。一走毎に競馬を覚えてくれており、最後はしっかりと脚を伸ばしています。少し条件がかみ合えば、3勝クラスは突破できそうな段階です。
この土曜は小倉で8鞍に騎乗します。2Rのアキトゴーの前走は、ロスのない立ち回りができて馬も頑張ってくれました。時計面には限界がありそうので、なるべく乾いた馬場でやらせてあげたい。3Rのカシマホオズキは小柄ながらも勝負根性があります。前走でいいイメージが持てたので、あとひと押し利かせるアプローチを心掛けたい。4Rのブラックスプルースは小倉1200mで2走して、コース適性を見せています。この中間も順調なので、今度こそ勝ち負けまで持っていきたい。
7Rのレオは、結果として前走は距離が長かった。連闘でも状態はキープしており、いいモノを持っている馬。距離短縮と少頭数で前進させてあげられませんか。10Rのコスモブルーノーズは、前走勝ち後もカイ食い旺盛で元気一杯。今回も雨の予報で得意な馬場になりそうなので、引き続き頑張ってくれると思います。12Rのマイネルアムニスも前走は頑張ってくれました。道悪適性と使った分の上積みで、前進させられそうな感触があります。
日曜は東京で9鞍に騎乗します。共同通信杯のエンはコントロールがし易く、癖のない乗りやすい馬と聞いています。デビュー前に牧場で乗せていただいたこともありますが、まさにそういった印象が残っています。もちろん相手も強力ですが、この馬の能力を信じて今後に繋がる最善の結果を残したい。1Rのララソワニエの初戦は追走に苦しみました。少しでも距離が延びるのはいいはずで、立て直した効果に期待します。2Rのタイニーパワーは初戦でも、もう少しやれていい感触があった馬。コース替わりと2戦目の上積みで前進させてあげたい。
5Rのコスモクウの前走は上手く流れに乗れていたものの、馬場が悪かったのもあったのか、追い出してからの反応がもうひとつ。集中力に課題がありそうなので、むしろ久々がプラスに出るかもしれません。6Rのコスモカルナックと9Rのウインゼノビアは実績からも十分にチャンスがありそう。乗っていたジョッキーへのリサーチとVTRで十分に研究して臨みます。
今週の休日は長崎の軍艦島を観に行ってきました。台風の影響で島内部が壊れて上陸はできなかったのですが、進撃の巨人の撮影にも使われただけあって圧巻の展望。修理された際には改めて足を運んでみたいです。もうひとつ、写真に撮らせてもらったのは日本最古の教会とされる大浦天主堂。付近は坂道があって函館に似た雰囲気を感じつつ、ファンでもある福山雅治さんの故郷だけにテンションが上がる観光でした。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。