一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
競馬会全体で警戒を強めています
2020/4/2(木)
先週はコスモエスパーダ(6人気2着)が最高着順。今回は昇級緒戦でしたが、前走と同じ競馬ができて時計も詰めています。急激に力をつけており、次走への楽しみが膨らみました。マイネルミュトス(3人気3着)もこの馬のレースはできています。少し展開の助けがあれば、1勝クラスはいつ勝ってもという段階です。セイドアモール(4人気3着)は使われつつ良くなっていますね。今回に関しては、強い勝ち馬にプレッシャーをかけられて厳しい形になりました。マイネルインパクト(3人気3着)もまだまだ良くなる余地を残しながらの昇級緒戦。先々へ目途が立つ走りができたと思っています。
この土曜は中山で5鞍に騎乗します。2Rのコスモケルビンの前走は思っていたよりも進みが悪く、不完全燃焼なレースになってしまいました。間隔を詰めて使えるのは体調がいい証拠で、より積極的なアプローチをと考えています。3Rのマイラニは調教に乗せていただいています。初戦はゲートを出なかったようですが、中間の動きからもスタート五分なら前進させてあげられませんか。
4Rのマイネルイリャルギはいつも一生懸命に走ってくれる馬で、本当に相手関係ひとつという段階。そろそろ決めてあげたいタイミングなので、強い気持ちで臨みます。5Rのマイネルエルガーは2週続けて追い切りに乗せていただきました。先週よりも今週と上向いて感触が良く、時計は詰められると思っています。10Rのナイママは差のない競馬が続いています。2200mは慣れた距離ですし、引き続き状態面も文句なし。最後のひと押しを頑張らせて勝利を目指します。
日曜も中山で3鞍に騎乗します。3Rのキビーラジャバルはデビュー前から使って良くなりそうな感触があった馬。初戦で競馬を覚えてくれたはずなので、この間隔で使えれば前進が見込めます。12Rのテキスタイルアートは以前に東京で乗せていただいた際のイメージが残っています。思っていたとおりに距離が延びて内容が良くなっており、スムーズに先行できれば粘り込めていいはずの馬です。
先週は中京での2日間が終わった後、日曜に中止になった続行競馬(火曜中山)に騎乗できることに。一度自宅に帰って月曜午後の競馬場入りでしたが、新型コロナウイルスで大変な状況なので、有難さだけが身に染みています。この木曜も室内ではなく調整ルームの駐車場で話し合いがあり、とにかく競馬を続けていくために全員が必ずマスク着用、人が密集する場所には近づかず、平日は自宅で過ごすなどで新型コロナ対策を徹底しようと誓い合いました。無観客が続きますが、スポーツ界の代表という自覚を持って競馬に臨みます。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。