一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
勝ちたい福島最終週
2020/4/30(木)
先週はマイネルイリャルギ(2人気2着)が最高着順。いつもの走りに漏れず頑張ってくれましたが、デビュー戦以来の福島コースで、前半は流れについていくのが大変でした。それでも最後までしぶとく伸びており、惜しむらくは勝てなかったことだけです。マイティウェイ(4人気4着)は調教で感触を掴めており、そのとおりの走りができました。途中から来られてしまった分で最後まで保ちませんでしたが、次に繋がる内容だったと思います。一方、コスモビートイット(1人気9着)は気の悪さを出してしまったのか、道中何をしても進んでくれませんでした。明確な敗因こそ掴めていませんが、後ろ向きだった気落ちを切り替えられればあそこまで負ける馬ではありません。
この土曜は福島で3鞍に騎乗します。2Rのスズボンバーは今週の追い切りに乗せていただきましたが、初戦の結果が何故?と思ってしまうほど。悪くなかったです。コース替わりと良馬場で巻き返せませんか。11Rのハナザカリは休み明けの分と、久々の1800mが鍵になると思います。先行力はある馬なので、戸惑いが少ないよう流れに乗せてあげたい。
日曜も福島で5鞍に騎乗します。2Rのマイネルラクスマンは今週の追い切りに乗せていただきましたが好仕上がり。休む前の一戦は馬に疲れがありましたが、今回はフレッシュな状態でコントロールしやすくなっています。地力は上位のはずなので、このタイミングで何とかしてあげたい。5Rのリーディングレディは当初非力な印象でしたが、使いつつ力をつけているようです。走り慣れている福島コースの休み明け2戦目で前進させてあげたい。
7Rのモーンストルムは園田で3勝して戻ってきました。かつては最後に自分から控えてしまうところがあったので、忙しい距離とコースを経験したことでそのあたりが解消されていればと思っています。1勝クラスでもやれそうな能力を秘めた馬です。10Rのミチビキは荒れてきて時計がかかる福島コースは合いそう。昨夏以来の騎乗ですが、その後に2度の2着があるのも頷けます。11Rのナーゲルリングも時計がかかる最終週は合うタイプ。今回は定量戦になりますが、毎回一生懸命に走ってくれる馬なので、上手く立ち回って前進させてあげたい。
あっという間に福島も最終週。大好きなコースなので、何としても勝って新潟開催に繋げたい。来週からは2週続けて新潟で騎乗し、3週後にスマイルカナとオークスに挑みます。馬の体も戻って少しずつ動かし始めましたが、走りたい気持ちが入っていい雰囲気。2400mに対応できる状態に持っていけるように、陣営一丸で考えながら仕上げていきます。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。