一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
サマーマイルシリーズにスマイルカナ参戦
2020/6/18(木)
この土曜は東京で8鞍に騎乗します。5R(2歳新馬)のコスモマッドネスは先週の追い切りに乗せていただき、しっかりと負荷をかけました。初戦から走れる態勢と見ますが、気持ちがおっとりしている部分がどちらに出ますか。使って良くなるタイプかもしれません。7Rのレットミーアウトは競馬で初めて乗りますが、一戦毎に内容が良くなっており、これから走ってきそうな血統馬。しっかりと研究して臨みたい。8Rのブレイクザボーダーの前走は1400mが忙しかった印象で、砂を被って頭を上げ、流れに乗ることができませんでした。勝っている1600mになるのは歓迎で、前走がいい経験になっていれば変われるはず。
9Rのコスモジャーベは休み明けでも気持ちが入って走ってくれる馬。時計がかかったほうがいいタイプなので、馬場状態が気になるところ。良馬場であれば雨が残るくらいのほうが力を出せます。10Rのコスモエスパーダは前走時の追い切りにも跨りましたが、一度使って調子が上向き。中間の調教から着用しているブリンカー効果と相まって馬がヤル気満々。楽しみにしている一戦です。11Rのハルクンノテソーロは初めて乗せていただきますが、現級の上位安定勢力で東京コース巧者。いただけたチャンスを結果に繋げたいメインレースです。12Rのキングキャラットは昨年二度乗せていただいて、東京1400mのほうが合っているという印象。かつては成長途上なところがあったので、久々でも体がパンとしてくれていればと思っています。
日曜は阪神で3鞍に騎乗します。10Rのマイネルウィルトスは初めて乗せていただきますが、堅実かつ着実に成長しているイメージ。昇級でも十分に通用する馬だと思うので、しっかりと研究し力を発揮させてあげたい。11Rのスマイルカナは桜花賞と同じ舞台で斤量50キロ。さすがにオークス後は少し疲れが出ましたが、楽をさせながらペースを上げて、上手く体調を整えられました。どうしても輸送で体が減る傾向にあるので、そのあたりをクリアしてくれれば力は出せると思います。週明けに比べると、暑い中でも気温が収まってきたのはいい傾向ですね。
騎乗停止の間に土日の移動制限が解除され、関係者の皆様に初週からいい番組にしてもらえました。勝利という結果で恩返しができますよう、精一杯に頑張ります。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。