一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
アイビスSDはアユツリオヤジに騎乗
2020/7/23(木)
福島最終週はマイネルチューダ(1人気)で勝つことができました。ここまで時間がかかってしまいましたが、大外枠から力で押し切ってくれる強い内容で、次に繋がる大きな1勝だったと思います。コスモサンレミ(4人気2着)も調教どおりにしっかり走ってくれました。悔しいクビ差以外は文句のない初戦で、次走こそは勝たせてあげたい。3着も3回ありましたが、中でもコスモカレンドゥラ(3着)はブランクを物ともしない走り。一瞬は押し切れるのではという手応えでしたし、3勝クラスでも勝ち負けできる地力を十分すぎるほどに感じました。
開幕週の土曜は新潟で6鞍に騎乗します。 5R(2歳新馬)のスターリーアイズはここ2週の追い切りに乗せていただき、動きが徐々に良くなってきました。気持ちが入りすぎてしまうところがあるので、競馬まで落ち着いて臨めるかが課題。どちらかと言うと使って良くなりそうなタイプでもあり、実のある初戦にしてあげたい。10Rのコスモエスパーダは左回りの1400mがベストの舞台。この開幕週を目標に仕上げていただいており、自分としても楽しみにしている一戦です。
11Rのマイネルラックはムラがあるものの、コースを問わすに走ってくれる馬。ハンデ戦と相まって流れる展開になってほしい。12Rのマイネルプリンチペの前走は期待していたのですが、少し間隔が空いた分なのか反応しきれませんでした。今度は理想的な中2週でベスト距離の1600m。改めて力が入ります。
日曜も新潟で6鞍に騎乗します。 アイビスSDのアユツリオヤジの前走は、初芝がむしろ合っていたというくらいの勝ち方。とにかく調子が良さそうで、開幕週でも雨馬場がいいほうに向いてくれませんか。千直適性ばかりは何とも言えませんが、いいイメージしか浮かばないので、大きな期待を持って臨みます。1Rのコスモマッドネスの前走は、初戦から思ったほど変われませんでした。使いつつ競馬を覚えさせてあげたい。
5R(2歳新馬)のマイネルレガシーは今週の追い切りに乗せていただきました。大分乗り込んでいただいていたようで、気持ちが入って走れる態勢が整っています。使いつつ良くなるタイプかもしれませんが、いい素質がありそうです。8Rのステラドーロは晩生で初勝利まで時間がかかりましたが、前走の走りは力強かった。開幕週なら道悪もこなしてくれるはずで、持っている素質から昇級でも引けを取らないはず。12Rのホウオウモントレーは初めて乗せていただいた前走で、終いしっかり脚を使ってくれました。福島1150mなら新潟1200mのほうが競馬しやすそう。道中で気持ちを途切れさせないように走らせてあげられるかがポイントです。
先週に引き続き、この木曜日も東京で366名と最多更新の新規コロナ感染者が出てしまいました。大阪府や愛知県の感染も拡大する中でGo Toキャンペーンが始まっており、新潟への行き来は十分すぎるほど気をつけたい。できる限り競馬観戦はご自宅からをお願いしたいと同時に、結果で明るい話題を提供できるように今週も頑張ります。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。