一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
次開催(8.15新潟)から進展があります
2020/7/30(木)
幸先良く新潟開幕週で2勝することができました。ピュアエール(3人気)は持ち得るスピードを1000mの直線で活かすことができました。話題のオープニングレースを勝てたことで気持ちも楽になりました。ラストリージョ(8人気)は競馬で初めて乗せていただきましたが、凄くコントロールしやすかった。仕掛けてから取りつくまでの反応が速くて、抜け出してからはソラを使っていたくらい。ダートの番組がないので間隔は空くかもしれませんが、次走がかなり楽しみです。アイビスSDのアユツリオヤジ(7人気12着)は追走に苦労して、ペースに対応できませんでした。使って更に上向いていた印象で、返し馬ではこれならと感じたほど。今回に関しては適性面に尽きると思います。
この土曜は新潟で7鞍に騎乗します。 1Rのマイネルレスペトの前走は初戦とすれば及第点の内容で2着。このレースは権利馬が揃っていてレベルの高い一戦になりそうですが、そんな中でも大きな期待を持って臨みます。2Rのマイネルニルソンは初戦に乗せていただいた関西馬。2戦目は型どおりに良くなっていましたし、素直で乗りやすいので、左回りにも対応してくれると思います。3Rのマイネルサブマリンはムラなところがありつつも能力は秘めています。4度目の騎乗で手の内に入れているので、気持ちを途切れさせないよう気を付けて乗りたい。
5R(2歳新馬)のリチェルカは何度か追い切りに乗せていただいたことで、気持ちが前向きになってきました。素質は感じていますが、次に繋がるレースを続けつつというタイプかもしれません。10Rのコスモヨハネは間隔こそ空きましたが、2勝クラスでは上位安定勢力。使うと落ち着いてくる傾向にあり、むしろ久々のほうがいいイメージがあります。上手くスタートを決めて流れに乗せたいですね。
日曜も新潟で5鞍に騎乗します。 1Rのマイネルアミスターの前走はダートでしたが速い馬場に対応しています。使いながら状態は上がっており、芝1200mに替わっても着順を上げられそうなイメージです。2Rのスマイルサクラの初戦は体力不足だった印象。今回は半年以上の久々ですが、立て直した分の成長に期待したい。7Rのフォースオブウィルはデビュー前から調教に乗せていただいていました。競馬でオンオフが付きにくいようですが、このクラスでもやれそうな素質を持っている馬。道中で気持ちを抜いて終いに繋げてあげられれば、いつ変われてもいいと思います。
木曜の恒例になりつつありますが、東京都の新型コロナ新規感染者が367名とまたまた最多更新してしまいました。大阪府や愛知県もゾッとするほどの増加で、この人数が日常となりつつあることに恐ろしさを感じています。しかしながら、8月15日からの次開催は新潟競馬場限定かつ新潟県在住という条件で、事前に指定席を購入していただければ、約600名がご来場できます。それまでに少しでもの収束を願い、新潟が地元の方々に熱い競馬をお見せできればと思っています。秋への指標となる大きな一歩なので、限定数からとはいえ、ファンの皆さんが競馬場に入れる2週間後が待ち遠しいです。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。