一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
今週も力が入るラインナップ
2020/8/6(木)
先週はマイネルアミスター(10人気3着)が最高着順。好枠から流れに乗って頑張っており、芝ダート問わずというのも頼もしい。使いながら着実に良くなっているので、初勝利は近いと思います。ウインアイルビータ(4人気4着)は正直、道中では楽勝できるかと思うほどの手応えでした。気難しいところを手の内に入れられたので、次回乗せていただける際の教訓にしたい。フォースオブウィル(7人気5着)はスタートが悔やまれます。久々のせいか全く出ていきませんでしたが、直線に向いてからはさすがの脚力。すぐに勝ち負けできるタイミングが訪れると思います。
この土曜は新潟で8鞍に騎乗します。 1Rのスターリーアイズは激走してくれた初戦から、テンションも馬体も問題なくきているが故の中1週。同じコースで走れるメリットもあり、改めて頑張ってくれるはず。4Rのコスモカンツォーネは常にもうひと押しという競馬はしてくれています。内回りの1400mは合いそうなイメージがあるので、詰めの甘さを補う乗り方を心掛けたい。5R(2歳新馬)のコスモスケアヘッドは2週続けて追い切りに乗せていただきましたが、いい動きをしており仕上がっています。まだ良くなりそうな要素を残しつつも、初戦から力を出せる態勢で楽しみです。
6R(2歳新馬)のロデオスターメイトはゲート試験から乗せていただいていますが、若さが目立つ現状です。使いながらしっかりしていくタイプかもしれません。7Rのグランバルは2走前に中山ダート1200mで乗せていただきました。当時は忙しくてついて行けなかったので、この距離延長はいいと思います。何とかこのタイミングで適性がかみ合ってくれませんか。9Rのブルーバードの初戦は文句なしの内容。1ハロンの距離延長も歓迎で、新潟コースはより合いそうなイメージ。自分もダリア賞とは相性がいいので期待しています。11Rのコスモカレンドゥラは半年以上の久々だった前走が十分すぎるほどの内容。外回りで上がりが速くなる競馬への対応が鍵ですが、状態面と素質でこなしてくれるはず。
日曜も新潟で6鞍に騎乗します。1Rのスウィートブルームは今週の追い切りにも乗せていただきましたが順調。テンションが高い面があるので、落ち着かせてレースに臨めれば勝ち負けできる力はあります。3Rのバイカルは出走取消を挟んで、かなり久々の実戦。昨年はまだ途上の印象があったので、長くなった休養がいいほうに向いてくれればと思います。
6R(2歳新馬)のベルステラは凄くいい馬ですが、ゴールドシップ産駒らしく調教では難しいところも見せています。次に繋がる内容、最後までしっかり走らせることを重視しますが、能力を出してくれれば勝ち負けしてもいい素質を秘めていそう。9Rのアルミューテンは千直で実績があり、前走でクラスに目途が立つ3着。枠や時計も鍵になりそうですが、いいイメージで乗りたい。12Rのプリモプレミオは小倉と福島で乗せていただきましたが、間違いなく悪い馬場が敗因です。新潟の軽い馬場も1400mも合うと思うので、改めて乗せていただける期待に応えたい。
来週から1~2月に滞在させてもらった小倉競馬が開幕しますが、今夏は引き続き新潟で乗っていきます。先週書かせていただいたとおり、約600名限定ながら、いよいよお客さんを迎えての競馬になります。粒揃いの新馬がデビューしたり、今開催頑張ってくれた馬達の続戦もあったりと、まだまだ楽しみが尽きません。そんなためにも、力が入る今週のラインナップでリズムに乗っておきたいところです。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。