一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
中山で3日間騎乗します
2020/9/17(木)
先週は日曜最終レースのアルミューテン(5人気)で勝つことができました。返し馬の段階から状態が上がっていることを感じ、スタートだけ気を付ければ押し切れるかなという手応え。馬場が緩くなると走りづらくなる馬なので、開幕週の良馬場というのもマッチしてくれました。京成杯オータムHのスマイルカナ(3人気2着)は大外枠が悔やまれます。スタートはあまり速くなかったのですが、勝ち馬の手応えを見て、あれでも出したわけではないのですが主張させてもらいまいた。ハナに立ってからスッと抑えも利きましたし、前半の距離損さえなければもっと際どかったはず。プラス体重で出走できて本当に良くなっていましたし、次走以降でまた進化をお見せしていきたい。
この土曜は中山で7鞍に騎乗します。 4Rのコスモスケアヘッドの初戦は上手に走れないまま終わってしまったという印象。能力は秘めている馬なので、2戦目と右回りで前進させてあげたい。5R(2歳新馬)のコスモマインは続けて追い切りに乗せていただいています。オルフェーヴル産駒で当初は集中力に欠ける面がありましたが、やる毎に動きが良くなって改善してきました。スタートがあまり速くないので前半がポイントですが、上手く流れに乗せていければいい競馬ができると思います。7Rのホウオウモントレーの前走は砂を被って気難しいところを出してしまいました。間隔を空けた面がいいほうに向いてくれそうで、気持ちさえ向いてくれれば前進が見込めます。
8Rのマイネルイヴィンスも前走で気の悪さを出してしました。今回は改めてのブリンカー着用。集中して走ってくれれば、1勝クラスでも十分に通用します。9Rのマイネルポインターは昇級してからの2戦が案外も、前走は休み明けが大きかったと思います。今回は勝っているコースに戻るので、使った上積みと相まって前進させてあげられるはず。11Rのコスモカレンドゥラの前走は、馬場が堪えて外回りの競馬もかみ合わなかった。今の中山の馬場なら、多少雨が降ってもコンディションが違うはず。かねてからの内容からこの程度の馬ではないので、巻き返しに力が入ります。12Rのマイネルナイペスの前走はゲートの中で後ろ扉を蹴飛ばして、タイミングが悪いスタートになりました。いいスピードを持っているので、スムーズにさえ出られれば前進できるはず。
日曜も中山で8鞍に騎乗します。1Rのコスモマッドネスは芝でなかなか良さが出ない現状。今回はダートに替わるので、また違った面を引き出してあげたい。2Rのフカイの初戦は1400mが忙しい印象でした。距離が延びるのは間違いなくプラスで、使った上積みとで前進させてあげられるはず。3Rのコスモコラッジョの前走はダート替わりで期待していたのですが、思ったような結果にならず。この条件は合っているはずなので、続けてのダートと距離で内容を良くしてあげたい。
6Rのアドアステラは自分から競馬を作れるタイプではなく、どうしても展開に左右されてしまいます。それでも、戦績から十分に勝つ力は持っているので色々とかみ合ってほしい。9Rのジャカンドジョーはいつも長めの距離を使っているので、久々になる1800mがどうか。一度乗せていただいた際の感触が良かったので有難い依頼です。10Rのソスピタは久々かつ昇級の前走を快勝。53キロという斤量の恩恵がありますし、器用そうなタイプなのでコース替わりも気になりません。11Rのマイネルユキツバキは中山1800mを得意としています。関西に遠征したここ2戦こそ案外ですが、オープン勝ちの実績がすでにある馬。十分に巻き返せるタイミングだと思っています。
祝日開催の月曜も中山で5鞍に騎乗します。2Rのロデオスターメイトは連闘でも状態は問題ありません。2戦目だった先週は進捗があったので、もう一歩前進させてあげたい。3Rのスターリーアイズは新潟で3戦と長い輸送をこなして頑張ってくれましたが、この中間も問題なくきています。何とか勝たせてあげたい、結果を出したい一戦です。
4Rのアインゲーブングはまだ非力なところがありますが、素直で一生懸命に走ってくれる馬。初戦は次に繋がる内容だったと思うので、あらゆる面で前進あるのみです。7Rのバトーブランは難しい面があって、前走は上手く脚がタマりませんでした。一度乗って掴めた感触があるので、馬込みで我慢させて運ぶアプローチを考えています。8Rのコスモオリは昇級の前走が好内容。フレッシュな時のほうが頑張ってくれるイメージがあるので、休み明けでも改めてクラスに目途を立ててあげたい。
秋競馬も無観客のまま開幕を迎え、コロナ禍の合間でお世話になったドラマも大方クライマックスになりました。いよいよ佳境の半沢直樹は毎週楽しみにしていますが、MIU404や親バカ青春白書など、今クールは当たりが多かった。ソーシャルディスタンスを保ちながら、これだけのクオリティの映像を作りあげる制作陣の方々には頭が下がります。年末にかけて各局とも必殺ラインナップが控えているようなので、プライベートも規則正しい曜日感覚で秋シーズンを過ごしていけそうです。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。