一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
土曜は阪神、日曜から東京で騎乗します
2020/11/19(木)
先週のスマイルカナ(1人気)は決め手がある勝ち馬に差されての2着。しかし、2番手で上手に運べて、予定している12月19日(土)のターコイズSに繋がる競馬ができたと思います。勝ちたかったというのが本音ですが、重賞勝ちあるコースで次こそは決めてあげたい。初めて乗せていただいたステディシュシュ(4人気3着)はダートも合っており凄くいい馬ですね。厩舎サイドの工夫で聞いていた乗りにくさは感じませんでしたし、バネがあって先々まで楽しみです。武蔵野Sのロードグラディオ(16人気9着)もコントロールが利いてとても従順。惜しむらくは相手が強かったですが、まだまだ将来がある4歳馬。交流重賞などを使えればマッチしそうな感触でした。
この土曜は阪神で3鞍に騎乗します。 8Rのコスモハヤテは昇級してからもう一歩の内容ですが、立て直しての成長に期待したいところ。何とかクラスに目途を立ててあげたい。11Rのコスモカレンドゥラは中間の調教に乗っていますが、前走後も順調で楽しみにしている遠征。ワンターンのコースならコーナー4つの2000mのほうが合っている馬。初日に結果を出して3日間競馬に勢いをつけたいです。
日曜は東京で5鞍に騎乗します。1Rのバンブトンローズは使いつつ馬が成長してきています。同じコースの続戦でもう一歩前進させてあげたい。2Rのスターリーアイズは休み明けですが力を出せる態勢。新潟、中山と使って、より広いコースのほうが向いている印象。未勝利なら力上位で勝ってあげたいタイミングです。7Rのアナザークイーンのここ2戦は馬場が悪くて時計が速すぎました。今週の天気で乾いたダートなら前進が見込めます。8Rのラキウラは門別で結果を出して戻ってきました。馬は成長しており以前から素質も感じていました。1勝クラスでも足りるはずなので、次に繋がる競馬をしてあげたい。10Rのマイネルステレールはスタミナがあって時計がかかってほしいタイプ。ここ2走同様にベスト条件なので、自分の力だけは走ってくれるはず。
祝日の月曜も東京で5鞍に騎乗します。5R(2歳新馬)のヒットアロットは今週の追い切りに乗せていただきました。体に緩さを残しつつも気持ちが前向きで、初戦でどれだけ走れるか楽しみです。6R(2歳新馬)のヤマニンアマルタスは追い切りではなく、普段の調教に乗せていただいたことがあります。癖はない印象でしたが、使いつつ上がっていくタイプかもしれません。7Rのカイトレッドはダートで休み明け3走目。よーいドンの展開が向かないので、持ち味を活かせれば前進させられる感触です。12Rのコスモヨハネは年齢的な衰えなく、使いながら状態を上げてきています。1400mは忙しい感じもありますが、好位で脚をタメて前進させてあげたい。
週末にかけて感染者がまた増えてきたコロナ禍ですが、万全の対策をして今年も葉加瀬太郎さんのコンサートに足を運んできました。競馬場でもそうですが、取材者側が凄く気を使ってくださって、検温や消毒は当然のこと、ビニールで席ごとに仕切られていて、安心して聞き入ることができました。ラストの恒例、皆で立ち上がっての演出こそありませんでしたが、いつにも増してパワーをもらうことができました。今週は阪神から東京なので移動にも予断を許しませんが、遠征が実る結果となるように全力を尽くします。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。