一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
500勝を意識して乗っていきます
2020/12/3(木)
東京最終週はコスモインペリウム(4人気)で勝つことができました。前走20キロ増からもう2キロ増えての出走でしたが、返し馬から重たさは感じず、しっかり成長して実になっていたのだと思います。一度使っていたことで落ち着きもあり、スムーズな競馬で力を出し切ることができました。2走前に重賞に挑戦したポテンシャルがあり、まだ3歳馬なので先々が楽しみです。
イザニコス(11人気4着)は仕上がりが良く、調教で見せていた周りに気を使うような面を実戦では出さず最後まで一生懸命に走ってくれました。強い相手にも先着しており、初勝利へ向けて目途が立ちました。マイネルパリオート(5人気5着)は決め手がある馬に先着はされましたが、内容はかなり良かったと思います。メンバーや条件がかみ合えば、未勝利ならアッサリまでありそうな感触を得られました。
開幕週の土曜は中山で5鞍に騎乗します。 2Rのバンブトンローズの前2戦は内容ある競馬をしています。詰めて使えるのも調子がいい証拠で、コーナー4つの競馬に対応できれば差はないはず。牝馬限定戦でもあり前進させてあげたい。3Rのマイネルスキーブはデビュー前の調教に一度乗せていただいたことがあります。素直だった印象が残っています。使われつつしっかりしてきたようなので、直線の急坂もこなしてくれませんか。
日曜も中山で6鞍に騎乗します。1Rのステディシュシュは初めて乗せていただいた前走でかなりの感触を得ています。1200mへの対応が鍵になりそうですが、能力の高さで結果を出したいところ。2Rのコスモコラッジョは前走でようやく思い描いていたレースができました。中山コースも問題ない馬なので、同じイメージで乗ってあげたいと思っています。
3Rのコスモサンレミはこれまで自分が乗ったレースでは2着3回。コースを問わずに走ってくれており、開幕週の馬場でもうひと押しを利かせてあげたい。4Rのコスモマインは周りに馬がいないと遊んでしまう面があるので、集中して走らせながら抜け出すタイミングに気を付けたい。中山コースも合っており、ここでは力が一枚上だと思っています。11Rのアルミューテンは格上挑戦になりますが、中山コースかつ開幕週は絶好というタイプ。スムーズな競馬でスピードを活かせれば通用してもいいはず。
先週のジャパンカップは刺激になるレースでした。上位3頭には別格の力を感じましたが、とりわけアーモンドアイは覗いてみたパドックから迫力が違っていたように思います。東京開催は2ヶ月勝ち星を増やせずにヤキモキしていましたが、自分にとってプラスになる中山開催を前にひとつ勝てたのは気持ちの面で大きかった。あと3つで意識してきた500勝なので、今週中にリーチをかけるくらいの意気込みで臨んでいきます。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。