
一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
今年は中山で続戦していきます
2021/1/14(木)
3日間開催はコスモコラッジョ(6人気2着)が最高着順。外枠もあってスタートは上手く出て、前走の悪かった部分を修正できました。惜しむらくは勝ち馬が内枠からロスなく立ち回っていたこと。枠の内外の差だけだったと思いますので、そろそろ相手関係ひとつです。レットミーアウト(6人気3着)は4角手前から反応が鈍くなってしまったものの、直線に向いてからはいい脚を使っています。ブリンカーを着けて安定しているのですが、コーナーを吹かしながら動いていけない感じなので、広いコースのほうが合っている印象。東京に替わればチャンスが広がります。フェアリーSのラストリージョ(12人気11着)は性格的な問題から、上手にタメが利いて走れる感じではありません。真面目なので一生懸命すぎてしまうんです。芝の走りは凄く良かったのですが、現状は距離に課題があります。

この土曜は中山で8鞍に騎乗します。2Rのマイネルオラトリオは使いつつ徐々に良くなってきています。今回は3戦目かつダート1800mの同コースで続戦。もうひとつ前進がありませんか。3Rのヴォンタリエールはデビュー2戦が芝でもう一歩の内容だったのでダート替わり。一度使った上積みと相まって変わってほしいところです。
5Rのコスモマインは2着が3回続いた後で間隔こそ詰まっているものの、馬の状態は変わりなくきています。今度こそ勝たせてあげたい一戦です。7Rのアイアンゾーンはこのクラスに昇級してから厳しい競馬が続いています。時計面に限界があるので、馬場や展開が少しでも向いてほしいところ。10Rのトッカータは自分で競馬を作れるタイプではないので、展開面が鍵になります。それでも前走は掲示板まで0秒2差。人気以上に頑張ってくれるイメージの馬です。
日曜も中山で5鞍に騎乗します。7Rのコスモミローディアは前2走が思いのほか結果が伴いませんでしたが、中山1600mは4走前に3着があるコース。調子も決して悪くないので、このタイミングで巻き返せませんか。8Rのヒキュウは川崎のロジータ記念(6着)で乗せていただきました。スタートが上手くいかず、持ち味を出せずに終わってしまったんです。まさか中央でチャンスをいただけるとは思っておらず、この依頼は感謝しかありません。凄くいい馬なので、ここでもやれる力はあるはず。期待に応えたいという一心です。12Rのマイネルアルケミーは成績にバラつきこそありますが、今の中山の馬場は合っています。当日、馬に気落ちさえ向いてくれれば、いつ走っても不思議はありません。

昨年同時期は初心に戻る意味で小倉滞在したのですが、今年は引き続き中山で続戦していきます。もうあれから1年かと懐かしい気持ちになりつつも、コロナ禍で劇的に状況は変化してしまいました。先週から戻った中山に続き、緊急事態宣言の範囲拡大に伴って、中京・小倉も無観客競馬になります。それでも僕達のやるべきことは何も変わらないので、ファンの皆さんはご自宅でゆっくりと見届けていただければと思います。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。