一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
勝利で締めたい中山最終週
2021/4/15(木)
先週はマイネルアミスター(11人気)で勝つことができました。厩舎サイドでハミの受け方や走り方を一生懸命に教えてくださって、馬の雰囲気が全く変わっていました。終わってみて人気がないことにビックリしましたが、いい内容での初勝利だったと思います。ステラドーロ(7人気3着)は前走の勝ち方も良く、馬が本格化してきたという印象。じんわり良くなってくる血統なんです。ようやく芯が入ってきたので、これからが楽しみですね。桜花賞のブルーバード(18人気14着)は休み明けを一度使って、馬の雰囲気は良くなっていました。時計が速く、状態面でも上向く余地を残しての結果ですから悲観はしていません。距離が延びて良さそうな印象を受けたので、選択肢が広がったという意味でも価値ある挑戦でした。
この土曜は中山で7鞍に騎乗します。2Rのサザンジンジャーの前走内容は悪くありませんでした。間隔が空いた分がどうかですが、徐々に良くなってきそうなタイプなので次に繋げてあげたい。3Rのウイングウインドは久々で距離を縮めた前走で変わり身がありました。間隔を詰め、続けての1200mになるので前進に期待しています。5Rのマイネルレイヨンは東京コースで結果が出ている馬ですが、以前に乗せていただいた時よりも良くなっていると聞いています。休養明けがむしろいいほうに向いてくれませんか。
7Rのレットミーアウトは1勝クラスでは力上位の存在も、気になるのは馬場状態。前走も重馬場に嫌気がさしているように見えたので、天候がポイントになると思っています。8Rのセイドアモールは昇級してからがもう一歩の着順。今回は長い休み明けでもあるので、次に繋がる内容にしてあげたい。9Rのアオイゴールドはレースで初めて乗せていただきますが、和田先生から調子の良さを聞いています。重賞で好走している力がある馬でもあり、よく研究して結果を残せるように頑張ります。10Rのマイネルカイノンはクラス慣れしているように見受けられますが、今の中山は前が止まらないので展開がポイント。仕掛けを工夫しつつ、少しでも流れが向いてほしい。
日曜も中山で6鞍に騎乗します。1Rのウィズザワールドの前走は勝ち馬が強かったというだけで内容は良かった。あとひと押しを利かせられるような乗り方で勝利を目指します。3Rのコスモコラッジョも同様です。連闘ですが馬は変わりなくきており、一番合っている中山1800mで勝たせてあげたい。
4Rのマイネルグロンは能力こそあるのですが、晩生の血統で徐々に力を付けていくタイプ。間隔を空けたことで、どこまで良くなっているか楽しみにしています。9Rのマイネルミュトスは昇級がどうかですが、相手なりに頑張ってくれる馬で道悪も問題ありません。ハンデ戦で差がない競馬ができるはず。10Rのミッキースピリットの前走は間隔が空いていた分だったと思っています。ダートの走りは良かったですし、続けての騎乗で結果を出したいタイミングです。
先週は日曜阪神での騎乗後、京都に立ち寄って古武術で有名な高橋佳三先生に体や関節の動かし方などを教えていただきました。力の入れ方、出し方など馬乗りに通ずる要素があると感じましたし、勉強になることばかりでした。日々のトレーニングにも取り入れつつ、関西に遠征する際はまた足を運んでみたいと思っています。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。