一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
スイートピーSはスウィートブルームに騎乗
2021/4/29(木)
東京開幕週はハナ差でバンブトンハート(7人気)の2着が最高着順。スタートが出ないのはいつものことですが、そこからの追い上げと捌きがスムーズにいきました。あそこまでいったら勝ちたかったのが本音も、グンと良くなっているので東京開催のうちに何とかしてあげたい。バラードインミラノ(3人気3着)は久々の分で気合が乗っていましたが、競馬では落ち着いてジワジワと長くいい脚を使っています。この馬も広い東京コースが合いますね。マイネルプリンチペ(5人気3着)は大分乗り込んでいたものの、7ヶ月振りとあって体に余裕が残っていました。力があるところは見せてくれましたし、使って状態が上向いてくると思います。
この土曜は東京で3鞍に騎乗します。1Rのウインラザンツは2週続けて追い切りに乗せていただきました。ブリンカーを着けた今週は集中して走っていたので、コース替わりと相まって変わってくれませんか。3Rのマイネルオラトリオは一戦毎に少しずつ良くなっています。強気なことは言えませんが、もう一歩前進してくれるはず。5Rのマイネルグロンは晩生の血統ですがいいモノを持っています。間隔を空けたことで成長が見込めるので、初勝利に目途が立つ競馬をしてあげたい。
日曜も東京で8鞍に騎乗します。2Rのレラシオネスの前走は時計が速すぎたという印象。3戦目で上積みがありそうなので、コース替わりと距離延長に期待しています。3Rのセントポーリアは今回が初ダート。血統的にもこなしてくれませんか。6Rのコスモアピールは前走乗った丹内騎手から「追い切りの動きが良くなっている」と聞きました。ここ2走の着順こそ案外も、もっと走れる馬だと思っています。7Rのヒットザシーンは昇級緒戦の前走で早速いい競馬をしています。急激に良くなっている印象があり、ここでも差はないと思います。
8Rのマイネルレンカはここ3走の内容が良く安定しています。今の充実度なら東京コースでも頑張ってくれるはず。9Rのマイネルステレールも崩れずに、いつも自分の力だけは走ってくれる馬。時計に課題があるので、今週の天候とハンデ戦は歓迎です。11Rのスウィートブルームは前走後も順調で、ここ2週の追い切りで感触を掴めています。東京コースで崩れたフリージア賞(9着)の時とは全然状態が違うので、勝ってオークスへの出走権を掴みたい。12Rのヒイロメープルは2勝クラスで足りそうな馬なのですが、上手く結果に結びついていない感じ。何とかキッカケを掴んであげたい。
コラム更新日にあたる木曜は東京で新型コロナ感染者がまた1000人を超えてしまいました。せっかくのゴールデンウィークですが、とにかく辛抱の時。緊急事態宣言で無観客に戻ってしまいましたが、どうぞ娯楽の一部としてテレビの前で競馬観戦をご活用ください。毎度の感想ですが、自粛アイテムになっている今クールのドラマでは桜の塔とドラゴン桜がお気に入り。流行りの警察モノと学園モノですが、敢えて現代離れしている感じがいいですね。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。