一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
2歳新馬が始まります
2021/6/3(木)
先週はバンブトンハート(4人気)の2着が最高着順。枠なりで直線内を割ってくるようなレースになったのですが、これまでは外に出す形がベターだった馬だけに、凄く収穫があったと思います。今は体調がとてもイイので、東京開催があるうちに何とか決めてあげたい。初めて乗せていただいたモモエチャン(8人気4着)はここにきて体力がついてきたのかなという印象を受けました。素直で一生懸命な馬で、チャンスも近いのではないでしょうか。マイネルデステリョ(4人気4着)は上手に競馬できたのですが、直線内にササって追いづらかった。使ってそのあたりが改善してくれば、よりチャンスが広がりそう。
この土曜は東京で3鞍に騎乗します。 4Rのコスモサミットはデビュー前の調教に乗せていただいていました。体力不足で大敗してしまいましたが、そこから間隔を空けての成長が鍵になりそう。10Rのブルーバードはいい頃の結果を出せていませんが、この中間は厩舎サイドに相談して調教方法を変えてもらっています。古馬相手にはなりますが、自己条件のハンデ戦なら頑張れませんか。11Rのケイアイパープルは、いい時に乗せてくださる村山厩舎の馬。砂を被るのが良くないと聞いていますので、外に出すタイミングなどをよく研究して臨みたい。
日曜も東京で3鞍に騎乗します。4Rのカフェファンタストはデビュー戦以来の騎乗。当時は戸惑って走っていたり条件的にもしっくりきませんでしたが、乗り味が良かったので印象に残っています。前2走からも芝の長距離戦は合ってそうなのでキッカケを掴んであげたい。5R(2歳新馬)のコムストックロードは3週続けて乗せていただいています。凄く素直でゲートの出もスムーズ。期待のシルバーステート産駒で、仕上がりは申し分ありません。牝馬限定の適鞍で相手関係につきるところだと思います。
いよいよ2歳新馬がスタートします。先のコムストックロードは初戦から期待していますが、今年のビッグレッドッファームは例年に比べてスローな入厩で、夏場に攻勢をかけていくような感じになりそう。ゲート練習などで慌ただしい日々が続くものの、日本ダービーが終わると新たな一年の始まりを感じて気が引き締まります。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。