一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
勝利が欲しいタイミングです
2021/6/10(木)
先週は自分が乗る世代最初の2歳馬で期待していたコムストックロード(7人気)で4着。まだ周りを気にして途中でハミを取らなかったり直線でも外の馬を気にして逃げる格好をするなどありましたが、凄く賢い馬なので、ここでの経験が活きてくるはず。あの脚色で差されてしまったように相手が強かった感もありますし、改めて次走で頑張ってくれると思います。
この土曜は東京で4鞍に騎乗します。3Rのコスモスケアヘッドは今回が初ダート。芝スタートの1600mはマッチしてくれるはずで、このタイミングで大きく変わってくれませんか。4Rのフォクシーレディの前走は、この馬本来の走りをしてくれたと思います。現状は器用に立ち回れない弱点もありますが、自分としても感触を掴めた後の続戦で決めてあげたい。11Rのマイネルミュトスの前走はスローペースで上手く脚がタマりませんでした。距離延長なので折り合いに気をつけてリズム良く走らせられれば、このクラスでも十分に戦えると思います。
日曜も東京で6鞍に騎乗します。1Rのモモエチャンの前走は時計的にもしっかり走れており頑張ってくれました。馬のタイプも掴めたので、反動さえなければ前進させられると見ています。2Rのアルドゥマンは1月のデビュー戦以来、久々に乗せていただきます。近2走は1400mでいい走りをしているので、同じコースでいいイメージを持って臨みたい。
3Rのアナザーヴィータは変わりなく好調をキープしています。前走の2100mは距離が長かった印象があるので、意外にも初めてとなる1600mがいいほうに向いてくれませんか。6Rのヒットアロットは11月の新馬以来のレース。当時は体力的に伴ってない印象でしたが、休んだ分の効果と成長があれば前進があっていい条件だと思います。10Rのバンブトンハートは惜しい競馬が続いていますが、今週の追い切りも変わらずにいい感触でした。どうしても後ろからになるので展開がかみ合ってくれることを祈りつつ、勝たせてあげられるように最善を尽くします。
東京開催が続きますが、G1レースがひと段落して2歳新馬も始まり、いよいよ夏競馬の到来を感じます。今週などは朝から気温が高くて、馬がハァーハァーいいながらの調教が続いています。デビューが待たれる2歳馬がピッチを上げているので、ここでバテないように上手く調整してあげたい。自分としてもこの開催を乗り切って、相性が良く楽しみにしている福島開催に勢いよく臨みたいですね。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。