一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
勝って弾みをつけたい土曜日
2021/6/17(木)
先週はマイネルミュトス(9人気4着)が最高着順。距離が2400mに延び、前走はハミがかりも良かったので、折り合い重視で乗りました。上手に競馬ができて4角では一瞬オッと思ったほど。ここ2走は距離を延ばしつつも、一番マッチするのは2000mでしょうか。今回は次に繋がる内容でしたし、かみ合えばこのクラスも勝てそうな感触を掴めました。フォクシーレディ(5人気)は使う毎に良くなっています。5着とはいえ勝ち馬と0秒2差。相手関係や展開ひとつという段階です。
この土曜は東京で4鞍に騎乗します。1Rのコムストックロードはデビュー前から感触が良く、初戦の内容も文句なし。今回は1F短くなりますが、スピードとセンスがあるので問題なく対応できると思います。中間の調整は厩舎にお任せしていますが、順調にきていると聞いています。先々を意識できる器なので、色々な意味で勝って弾みをつけたいですね。
4Rのアルドゥマンの前走はスタートが良く、思っていたよりも楽に追走できました。距離が延びるのは問題なさそうなので、上手く脚をタメて前進を見込みたい。7Rのマイネルパリオートは昨年11月以来の騎乗ですが、当時から未勝利はすぐに勝てそうな感触がありました。中間に跨っていないので状態面のジャッジはできませんが、休み明けがどうかというところに尽きると思います。12Rのアイアンゾーンも休み明けで、デビュー戦以来の芝。勝ち上がってから結果が伴っていないので、こういったタイミングで新味が出せればと思っています。
日曜も東京で2鞍に騎乗します。3Rのマイネルボーダレスはデビュー戦から感触は悪くない馬なのですが、思っていたよりも成績が伸びてこないという現状。今の時期の相手関係ならそろそろ目途を立てたいところです。10Rのアルミューテンはハンデ戦向きのところがあり、斤量が戻るのがポイントになりそう。競馬は上手な馬なので、下り坂の天候に相まって少し時計がかかってほしいですね。
今週は休日の月曜に万全の感染対策をし、帝国劇場へレ・ミゼラブルを観に行ってきました。毎年キャストが変わるミュージカルなのですが、進化し続けているのはさすがで、今回も感動させてもらいました。とりわけ演劇や舞台はコロナ禍で大変だったと思いますし、オリンピック然り、開催されるとなれば盛り上がってほしいですよね。それと同時に、ワクチン接種は本当に待たれます。競馬場もより多くのファンが訪れられる状況になることを願っています。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。