一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
今週は3頭の新馬に騎乗します
2021/7/8(木)
福島開幕週は勝ち切ることができず、マイネルグロン(3人気2着)が最高着順。この馬とすれば位置も取れて、上手に競馬してくれたと思います。勝ち馬にはより前で立ち回られてしまいましたが、福島コースは合っているので、今開催で何とか決められればと思っています。競馬で初めて乗せていただいたルピコラ(9人気4着)は返し馬から砂を被せて慣らしつつのゲートイン。馬の内側に入れても問題なく、収穫あるデビュー戦でした。使った上積みが大きそうなタイプなので次走が楽しみです。
この土曜は福島で4鞍に騎乗します。1Rのグルートンの初戦は馬を気にする面を見せて流れに乗るまでに戸惑ってしまいましたが、中1週の今回は慣れが見込めそう。力があることは分かっているので楽しみです。5R(2歳新馬)のオンリーオピニオンは続けて調教に乗せていただいており、しっかり動けています。この時期の2歳馬らしく幼い面こそありますが、自分の力だけ走れればいいデビュー戦になるはず。7Rのコスモアピールの前走は10着でも、過去2戦からの進境がありました。成長がスローではありますが、平坦コースでもう一歩前進を見込んでいます。11Rのマイネルミュトスの前走は急かせない競馬をさせて持ち味が出ました。今回もジワッと馬のリズムで乗ってあげるつもり。改めてのハンデ戦で、展開さえかみ合ってくれれば差はないと思います。
日曜も福島で5鞍に騎乗します。5R(2歳新馬)のマイネルアルザスは今週の追い切りに乗せていただきましたが、使いつつ上向きそうなタイプのように感じました。調教は積んでいるようなので、実戦に行っての良さに期待したい。6R(2歳新馬)のケッツァーは乗りやすくて、現段階でも馬がしっかりしています。1200mという距離が合うかは未知ですが、適性さえ合っていれば走れるデキにはあります。7Rのスペースシップは初めての騎乗ですが、デビュー当時から牧場サイドで期待されていた馬。重い馬場は合いそうなイメージがあるので、週末の天候に相まって良さが出せればと思っています。
オリンピック開幕直前に東京都で4度目の緊急事態宣言が発出されるようで、来週のセレクトセールにも規制が入ってジョッキーは行くことができません。まだまだ自粛期間が続きますが、週末の競馬が皆様の娯楽になるように、夏期もサークル一同で盛り上げていきたい。僕の自粛アイテムになっている連ドラもあっという間にクール替わり。医療モノや刑事モノが多い中で、ほっこりするシェフは名探偵を気に入って観ています。今晩(木曜)からシーズン4が始まる緊急取調室も楽しみですね!
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。