一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
東京オリンピックに刺激を受けています
2021/7/29(木)
前週同様、新潟開幕週は2頭で2着も勝つことができず。マイネルアルザス(4人気2着)は一度使って走りが軽くなっていました。あれでも道中物見しているところがあったので、まだまだ良化していく余地があります。シナモンスティック(12人気2着)は調教でも動けており期待していたので、終わって見れば人気がなさすぎたくらい。道中ハミを取らないようなところがあったので、競馬を経験したことでスムーズに流れに乗れるようになれば、次走はよりチャンスが広がります。
アルママ(1人気4着)は好位に付けられて、道中も早めに抜け出さないように我慢させ、いいタイミングで前が開いて上手くいっているんです。せめて3着に入って欲しかったのですが、明確な敗因を掴めていないのが正直なところ。幸い、使って脚元も問題なく元気一杯なので、次走はこの敗戦を引きずらずに乗ってあげたい。アイビスサマーダッシュのアルミューテン(12人気10着)はスタートが良かったので前について行ったところ、道中で両脇から寄られたタイミングで馬が怯んでしまいました。5枠10番が悪いほうに出てしまった印象で、もう少し極端な枠順のほうが良かったかもしれません。最後はまた盛り返してくれており、やはり千直自体は合っていると感じました。
この土曜は新潟で3鞍に騎乗します。1Rのグルートンは2回使いましたが、中間も変わりなく順調にきています。前走は不良馬場の速い流れに戸惑っており、直線は外に出したほうが良さそうな感触も得ました。スタミナがあって馬は元気一杯なので、ひと工夫して勝利を目指したい。6R(2歳新馬)のチューウィーは今週の追い切りに乗せていただきましたが、いい走りをする馬です。ただ、周りに気を使ったりと幼い感じがするので、競馬を経験させつつ良くなっていくタイプかもしれません。 10Rのブルーバードは中間に跨っていませんが、ここ数戦は本当に良かった頃に比べるとまだ途上だったという印象。色々な距離で乗って1600mは合っていると思うので、得意の新潟コースでキッカケを掴んであげたいところです。
日曜も新潟で3鞍に騎乗します。11Rのソッサスブレイはタイプ的に外回りコースへの対応が課題になりますが、今週乗せていただいて馬は元気一杯。3走目で去勢効果も出てきているのではないでしょうか。12Rのホウオウジャッジの前走は、この馬には忙しい福島1150mでも一生懸命に走ってくれました。厩舎サイドからいい状態と聞いており、イメージが持てる新潟1200mで前進を見込んでいます。
コロナ禍が深刻な状況ですが東京オリンピックが大変盛り上がっており、地元開催の日本選手団の活躍に感服しています。連日チャンネルを変えつつ観戦に大忙しですが、中でもソフトボールの金メダルには胸を打たれました。上野投手と後藤投手の新旧エース継投が素晴らしかった!24年のパリ五輪で再び除外というのは大変残念ですが、13年ぶりの金メダルを奪取した先駆者がいるのですから、きっと何年越しかでまた偉業を成し遂げてくれるはず。五輪アスリートの活躍に刺激を受けつつ、今週こその勝利を目指します!
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。