一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
チャンスある2歳戦が続きます
2021/8/19(木)
先週はガトーフレーズ(10人気)で勝つことができました。競馬で初めて乗せていただきましたが、直前に先生から特徴と好感触であることをお聞きし、返し馬で手応えを掴んで臨むことができていました。道中はフワフワしながらついて行くのが大変なくらいでしたが、ガンとハミを取りエンジンがかかってからの脚が素晴らしかった。直線も左に行ったり右に行ったりとフラフラでしたが、勝ってさらに良くなる余地があるので今後が楽しみです。
マイネルパリオート(4人気2着)は、この中間は涼しい期間があったため、体調的に夏負け気味から立ち直っていたようです。寄られてしまったところもありましたが、併せたタイミングで伸びられてしまったように勝ち馬が強かった。何とか次走こそはという思いです。期待していたヒメゴゼン(6人気3着)は調教の良さが競馬に繋がっています。使ってグンと上向く血統なので、この先が楽しみです。関屋記念のソッサスブレイ(16人気13着)も頑張っているのですが、重賞かつメンバー的に大変だったという印象。今の状態で上手くかみ合うレースがあれば、オープンでも引き続きやっていけると思います。
この土曜は新潟で5鞍に騎乗します。2Rのモモエチャンは能力がある馬なのですが、嫌々走ってしまうところが弱点。いかに気分良く流れに乗せてあげることがポイントです。とにかくスムーズに立ち回って勝利を目指したい。5R(2歳新馬)のセントイライアスは先週追い切りに乗せていただいた後に除外。1本多く追えたのはプラスに出ると思います。何せ気持ちが前向きなので、タイプ的に新馬から頑張ってくれるはず。7Rのヤマニンアマルタスは新馬当時に弱いところがありましたが、追い切りに乗せていただいて大分しっかりしてきた印象。馬は良くなっているので、時間がないタイミングで最善を尽くします。12Rのレットミーアウトはコンスタントに使われていたので、休養前は馬が嫌気を差している印象でした。気分がフレッシュな時のほうが走れるイメージなので、いい休養になっていれば力は十分に足りるはずです。
日曜も新潟で6鞍に騎乗します。1Rのマリネロの初戦は好内容の2着。8頭立てでより競馬しやすそうなので、慣れが見込める2戦目で決めてあげたい。2Rのチューウィーの初戦は馬の気持ちが乗っていなかったという印象。いかにも上積みが見込めそうなタイプなので、距離延長と相まって前進できると思います。5R(2歳新馬)のディアブレリーはいいモノを持ってそうなのですが、追い切りをやってもやっても気持ちが入ってきません。使いつつ良くなるタイプだと思うので、次へ繋がるようにしっかり乗ってあげたい。6Rのマイネルグロンは状態もキープできており、改めての2000mでベスト条件。人馬でとにかく勝利を目指すだけという一戦です。
リズム良く乗れており今週も結果を残したいと意気込んでいますが、自分としては好相性で毎年楽しみにしている札幌2歳Sにオンリーオピニオンで参戦することが決まりました。現地で調教は厩舎サイドにお任せすることになりますが、札幌の洋芝とコース形態はとにかく合いそうなイメージ。夏の締めくくりにと9月4日(土)が待ち遠しくてなりません。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。