一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
新潟2歳Sはコムストックロードに騎乗
2021/8/26(木)
先週はマリネロ(2人気2着)が最高着順。2戦目ということもあり少しテンションが高くて心配したのですが、競馬に行くと案外進まなかったように若さがあります。それでも最後はしっかり脚を使ってくれており、早いタイミングで勝ち上がらせてあげたいですね。マイネルグロン(4人気4着)は思っていたような競馬ができて頑張ってくれています。この馬に限らず3歳未勝利はもうギリギリのせめぎ合い。何とか権利は取れたので、最終週で決めてあげたいという一心です。
この土曜は新潟で6鞍に騎乗します。2Rのウイングウインドは前走2着後に順調さを欠いてここまで延びてしまいましたが、力を出し切れば勝てるだけの馬。ベストと思われる新潟1200mに間に合ったので、とにかく結果に拘って乗りたいと思います。3Rのモモエチャンは連闘。先週はチークピーシーズの効果もあって頑張れていました。どうしても展開に左右される脚質ではありますが、かみ合えば勝利まであと一歩です。4Rのアルドゥマンは1200mが気持ち忙しい感じもありつつ、交流の前走が活きてくれればと思っています。最後にひと脚を使わせる競馬で一発を狙いたい。5R(2歳新馬)のヴァンデストは今週の追い切りに乗せていただきました。気持ちが入りすぎてしまうくらいのところがあり、新馬から力は出せそうなタイプで好仕上がり。平常心で臨めればいい競馬になるはず。
日曜も新潟で5鞍に騎乗します。新潟2歳Sのコムストックロードは、この中間も仕上げは持ち乗りさんにお任せしています。まだ周りに気を使う面があるので、重賞でメンバーが強くなるとはいえ12頭立ては歓迎材料。前走は内回り1400mのダリア賞で2着でしたが、むしろ新潟1600mの外回りで乗りやすくなると思っています。とにかくスムーズに立ち回って、最後にもうひと脚という競馬をさせてあげたい。
4Rのマイネルパリオートの前走は相手が悪かったという印象の2着。この馬は今になって状態が上向いてきたので、何としても勝つという意気で臨みます。厩舎名ともかかっている5R(2歳新馬)のミズノコキュウは今週の追い切りに乗せていただきました。小柄ですが大きなフットワークで走る、気持ちが強い馬。仕上がりも良く、話題にそぐわぬ走りをしてくれそうです。8Rのアドアステラは終いが確実で、とにかく展開ひとつ。また乗せていただけることが本当に有難いですね。気分良く走らせて、急かさずこの馬の戦法に徹します。
京成杯オータムハンデに向けてスマイルカナが帰厩しています。ヴィクトリアマイル後は夏場で間隔が空いていますが、年始の休みに比べても馬がフレッシュで気が入っています。牧場サイドがかなり工夫してくださったのだと思います。体がふっくらしつつも抜けたようなところがなく、今からレースが楽しみになる状態。あと2週でしっかり仕上げて、秋の好スタートを決めるつもりです。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。