一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
5G導入で進化を感じています
2021/10/14(木)
東京開幕週はアニージョ(5人気)で勝つことができました。調教からずっと乗せていただいていた馬ですが、中間に一度順調さを欠いて、中山開催で使う予定がスライドしていたんです。立て直してからグンと上向いており、レースではスタートが悪くて苦しい位置取りになりましたが、道中狭い馬群を所々で上手く縫ってくれて、調教で教えてきたことが実になっての嬉しい勝利。そんな経緯からも嬉しくて、ついガッツポーズが出てしまいました。
初めて乗せていただいたシャノワール(11人気3着)は小さい馬ですが、しっかりタマるといい脚を使いますね。凄くバネがあって、将来性を感じました。あのレースはメンバーも強かったと思うので、改めて次走はチャンスがありそう。サウジアラビアRCのケッツァー(7人気7着)は競馬場に入ってから平常心を欠いていたという話。道中はずっと外に逃げている感じで、もう少し脚を使えそうな手応えながらも反応できず。まだまだ馬が若いので、使いつつ心身共にかみ合ってくればという印象でした。
この土曜は東京で7鞍に騎乗します。2Rのヒメゴゼンは中1週ですが元気一杯で、すぐに馬体重も戻りました。前走の感じから距離短縮も良さそうなので、調子の良さと相まって期待しています。3R(2歳新馬)のコスモフーディエは今週の追い切りに乗せていただきましたが、素直で一生懸命に走ってくれるタイプ。ただ、体力が付き切っていない感じもあり、使いつつ良くなっていくタイプかもしれません。5R(2歳新馬)のマイネルアカツキは現状なかなか時計が詰まってきません。この馬も使いつつ上向いていくようなタイプに思えます。
6Rのグルナピークはスタートが課題。上手く流れに乗せていければ、1勝クラスでも頑張れそうな脚力を持っています。8Rのマイネルステレールは競馬がしやすそうな頭数はいいですね。決め手に欠ける部分を展開に応じた乗り方でカバーしてあげたい。10Rのコスモカルナックは、前回乗せていただいた昨年2月以来の騎乗。調教にも跨っていないのですが、グングン力を付けている印象。東京コースがどうかですが、丹内騎手にもよくリサーチして最善を尽くします。
日曜も東京で6鞍に騎乗します。2Rのチューウィーの前走は別の馬に跨っていたのですが、後ろ髪を引かれる思いだったほどで、もっと頑張れると見ていました。左回りも合うはずなので前進を見込んでいます。11Rのコスモカレンドゥラはオープン特別なら十分にやれる力を持っている馬。調教には跨っていないので久々がどうかですが、復帰を楽しみにしていた一頭で期待しています。12Rのコスモヨハネは9歳という年齢を感じさせずに元気一杯。スタートを決めて流れに乗せたところでハミが抜けると、最後にもうひと脚を使ってくれるんです。東京コースでもハンデ戦なら差はないと思います。
今週はショップの方に勧められて、6年間使っていたandroidスマホを最新のXperia 1 Ⅲに機種変更しました。ついに5Gの仲間入りをしましたが、ここ2・3日はデータの入れ替えに四苦八苦して時間が過ぎている感じです。子供達はiPhone派で楽々とデータ移行できたらしいのですが、自分なりに拘りがあってandroidを継続してしまいました。ただ、音楽や画像に関しては本当に快適で、時代の進化を感じています。競馬もそうですが、若い世代に負けないように勉強していきたいですね。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。