一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
11000回騎乗のメモリアルでした
2021/11/25(木)
先週はマイネルシトラス(6人気2着)が最高着順。一戦毎に力をつけており、理想的な競馬ができました。惜しむらくは勝ち馬が強かっただけなので、近いうちにチャンスが巡ってくると思います。ソスピタ(6人気4着)も定量戦でよく頑張ってくれました。戦前にも書きましたが、今は凄く状態がいいので納得いく走りができたのだと思います。シャノワール(5人気5着)はメンコを着けてもらった効果でテンションは抑えていけましたが、スタート後の進みが悪かったのが誤算でした。それでも最後にしっかり脚を使えており、むしろ前2走よりも内容は良かったと思います。今回の感触を続走に活かしたいですね。
この土曜は東京で4鞍に騎乗します。2Rのミズノコキュウは使いながら気持ちが前へ前へといっている感じ。前走然り今は1400mのほうが競馬しやすそう。馬体が増えて出られれば頑張ってくれると思います。3Rのブルボンティアラはレースを経験する毎に一歩ずつ前進しています。まだ上積みがありそうで、今回も人気以上の走りをしてくれるはず。5R(2歳新馬)のコウキはゲート試験からずっと乗せていただいています。追い切りもしっかりできていますが、気性の難しさが実戦に行って気になるところ。考えながら調整はしているものの、経験を積んでからのタイプかもしれません。10Rのバンブトンハートは中山戦から間隔が空いて、前走は気持ちが抜けているような感じでした。中1週ながら登録頭数が多いレースに上手く入ってくれたので、集中できそうな1400mと相まって前進を見込んでいます。
日曜も東京で7鞍に騎乗します。1Rのミルトイグニスはダート替わりがマッチしました。同じコースの続戦とあっていいイメージで臨めます。4Rのペルグランデは距離延長した2戦目で内容が良くなりました。この馬も同じコースの続戦で前進してくれると思います。5Rのフォーチュネイトは前走もしっかり走れていますが外枠が堪えました。間隔は詰まっていますが絶好調なので、枠順と展開ひとつで勝つまでのチャンスがあるはず。
6R(2歳新馬)のブレイクは2週続けて追い切りに乗せていただきました。素直で一生懸命な馬ですが、まだ体力が付き切ってない印象があります。使いつつ上向いていくタイプかもしれません。8Rのケッツァーは間隔こそ詰まっていますが毎回しっかり走ってくれます。無理にハナというつもりはありませんが、この馬のリズムを損ねずに走らせてあげたい。9Rのコスモスタックもリズム良く走らせてあげればしぶとく頑張ってくれます。2000mに戻るのも悪くないと思いますよ。10Rのアドアステラは昇級緒戦の前走も相手なりに差がない走りをしてくれました。詰めたほうが力を出せるタイプなので、少し間隔が空いた分だけどうでしょうか。改めて2勝クラスに目途を立ててあげたい。
先週は日曜10Rで11000回騎乗を達成することができました。ちょうど2400mのスタンド前発走だったので放送が聞こえて「10000回のメモリアルから、もう1000回も乗せていただいたのか…」と、感謝の気持ちを持ちながらレースに臨みました。一頭一頭の反省ばかりで、むしろ勝ったレースのほうが印象に残っていないほど。勉強と努力を積み重ねて、少しでも多くの勝利を上げながら次の12000回に向かっていきたい。あっという間に東京開催も最終週。得意の中山開催に向けて、何とか勝利で締めくくりたいです。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。