一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
ホープフルSはアケルナルスターに騎乗
2021/12/26(日)
なんとかG1レース騎乗に弾みをつけたかったのですが、この土日は勝利ならず。2021年の最終日となる火曜は中山で3鞍に騎乗します。ホープフルSのアケルナルスターは2枠2番で確定。内側が少しずつ荒れてきてやや外のほうが伸びる馬場ですが、前半行けるタイプではないので、枠順的には気になりません。一度も調教に乗ったことがない馬で、この中間も仕上げは厩舎にお任せして臨みます。それでも素直で乗りやすいため、レースに向かうにあたって心配事が少ないんです。前走は直線だけの競馬で抜け出してから遊びながら走っていたくらい。もちろんG1で相手は強くなりますが、オッと思わせるような脚を使えるイメージは持っています。馬の能力を信じてスムーズかつ焦らずに持ち味を活かす騎乗を心掛けたい。
8Rのマイネルアミスターは勝った時の内容を思えば昇級してからの2戦が案外。ムラがありつつも持ってるモノは良さそうなので、勝った時と同じコースで立て直した効果に期待しています。
2021年は勝ち鞍こそ下げてしまったのですが、乗っている感覚とリズムは悪くなく、調べてみると連対数は昨年を上回れているんですよね。夏の新潟と苦手意識がある東京でも、概ねイメージどおりに乗ることができました。ただ、勝ち切ってこそ信頼を得られるわけなので、1着が少なかった点は修正しなければなりません。もうすぐ27年目になるいいベテランですが、トレーニング方法を改善しつつ、体は今が一番動くと思っています。新年の抱負は1月4日頃の更新で述べるつもりですが、本年もご声援ありがとうございました。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。