一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
東京新聞杯はエイシンチラーに騎乗
2022/2/3(木)
先週日曜は一頭騎乗で勝ちたかったマイネルシトラス(1人気)が4着。道中の感じが上手くいったのでもう少し踏ん張れると思ったのですが、東京1400mは合っていて能力も高い馬だけに、正直なところ歯痒さのほうが大きかった。もう相手関係ひとつというのは間違いないところなので、次走こそは工夫を凝らして何とかしてあげたい。
この土曜は東京で6鞍に騎乗します。3Rのコスモガラクシアは昨夏に札幌で乗せていただいて以来の騎乗。力はあるのですが、気が悪い部分があって勝ち切れていない印象。最後まで集中して走らせてあげたい。4Rのガトーフレーズは今回が初ダート。1400mはベストだと思うので新味に期待しています。7Rのコスモアディラートは未勝利2着以来でもう一度チャンスをいただけました。時計が速いよーいドンの展開になると分が悪いので、自在性を利して競馬を組み立てたい。12Rのホウオウジャッジは以前に乗せていただいた1200mが忙しい印象だったので、ワンターンの1600mはマッチしそう。近走では最も適した舞台ではないでしょうか。
日曜も東京で5鞍に騎乗します。東京新聞杯はエイシンチラーに初めて乗せていただきます。金曜朝の調教で感触を掴んで、しっかりとミルコ騎手にもリサーチしておくつもり。一連の内容から自在性がありそうな馬なので、せっかくいただけたチャンスを最大限に活かしたいです。
4Rのステディシュシュは、以前は体にぎこちさながありレース毎にムラがあったのですが、放牧で立て直してかなり改善したと聞いています。もともと力はある馬なので、久々の騎乗を楽しみにしています。5Rのチューウィーの前走は反応が鈍くて間隔が空いた分だったと思います。このコースでも2着があり、スムーズな競馬で力を出し切れば十分に巻き返せるはず。9Rのマイネルニコラスは先週の予定をずらして、さらに追い切りを一本積んで万全の態勢。兄弟とは違って大跳びでゆったり走るタイプなので、むしろ2400mは合いそう。乗っていてもスタミナを感じます。その先に向けて結果を出しておきたい一戦です。
来週は共同通信杯でアケルナルスターに乗せていただく予定。今週も特別登録があったのですが、相手が強くとも東京コースなら通用するという見立てで挑みます。いつも陣営が調整してくださって自分はレースぶっつけというパターンなので来週も気の利いた追記はできないかもしれませんが、今からかなり楽しみにしています。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。