一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
共同通信杯はアケルナルスターに騎乗
2022/2/10(木)
先週は初めて乗せていただいたビッグロジールーフ(13人気4着)が最高着順。前走のレースを研究した成果が実ってくれました。気性的にムラそうな部分を感じたので、次走で続けて走ってくれるかが課題でしょうか。マイネルニコラス(5人気5着)は上手に走らせられたと思うのですが、上位2頭とは現時点で力差を感じました。まだまだ途上なところがあるため、体力的なところで距離も気持ち長かったかもしれません。
東京新聞杯のエイシンチラー(14人気6着)は前半なかなかハミを取ってくれず、ブレーキをかけながらという感じの追走。なるほど、ミルコ騎手にリサーチした時も硬い馬場だと探って走るような面があるという事を話してくれていました。最後はしっかり脚を使っているので、馬場状態など少しかみ合えば重賞でも全然通用すると思います。凄くいい馬でした。
この土曜は東京で5鞍に騎乗します。1Rのマイネルシトラスは前走が悪い内容ではなかったものの、アレっ?と感じる失速だったので、100mでも短くなるのはマッチすると思います。条件は本当にベストなはずなので、何とかこのタイミングで勝たせてあげたい。6Rのブルボンティアラはこの馬なりに少しずつ力をつけています。雪が降ったので時計がかかる馬場になってくれそうなのも歓迎。牝馬限定戦でもうひとつ前進できるはず。
7Rのコウキの前走は一度使ってテンションが上がっており、ゲートの中で燃えて競馬が終わってしまいました。今回はゲート練習を積みながら間隔を空けてしっかりやってきました。対策を施しての3戦目で一歩前進してくれると思います。10Rのフォースオブウィルは久々でも仕上がり良かった前走の状態をキープできています。善臣さんの進言どおりに短いところが合っており、東京1400mという舞台に不足はありません。12Rのアドアステラはそもそも使いつつ状態を上げていくタイプで、12キロ増の前走は久々の分だったと思います。中2週の適条件で前進あるのみという感触です。
日曜も東京で2鞍に騎乗します。 共同通信杯のアケルナルスターは東京コースなら重賞でも通用すると見ての格上挑戦。ともあれ、中山コースのG1であれだけの脚を使ってくれたのですから、ここに入っても引けを取らないと思っています。厩舎で仕上げてくださって、自分はレースでぶっつけが従来通りのパターン。この馬の持ち味を活かして一発を狙います。8Rのコスモヨハネの前走は久々の分があったようです。10歳馬でも元気一杯で、東京コースも悪くありません。人馬でベテランの意地を見せたいですね。
開幕するまではあまり興味がなかったのですが、家族の盛り上がりに釣られて北京オリンピックをちょいちょい観ています。そんなにわかな僕ですら、スキージャンプ混合団体のスーツ規定違反をジャッジした運営側は酷いなと思いました。そもそも抜き打ちはどうかと思いますし、ましてやオリンピックの舞台で大量失格させてますからね…。リベンジしようにも4年後ですから選手はたまりません。それに比べてフィギアスケートがフェアだったこと。SPの不運にも前を向いた羽生選手の潔さは美しく、鍵山選手も宇野選手も素晴らしかった。もちろん優勝したチェン選手は何の異論もない圧巻の演技でした。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。