一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
勝利を掴んで締めたい東京最終週
2022/2/17(木)
先週は土曜に2頭で3着が最高着順でした。マイネルシトラス(2人気)は馬場もあったのが前半で行き脚がつかなかったものの、最後はしっかり伸びてくれました。結果として、戦法の幅が広がった気もしています。短い距離で忙しいくらいのほうが脚がタマる感触もあったので、次走こそは何とかしてあげたい。ブルボンティアラ(11人気)は一戦毎に力をつけています。コースを問いませんし、初勝利のチャンスが近づいてきました。
共同通信杯のアケルナルスター(5人気9着)は期待していたのですが、思ったほど弾けることができず。直線までは思い描いたようなレースができて仕掛けてからも反応しているのですが、いい脚が長く続かなかったという印象。相手が強かったとはいえ、自分の中ではしっかりとした敗因が掴みきれていません。
開催最終週の土曜は東京で5鞍に騎乗します。1Rのビッグロジールーフの前走はダート2戦目でよく頑張ってくれました。牝馬同士でこのコースならまだ前進が見込めます。3Rのブレイクも前走でダート適性を感じました。コース替わりもマッチしそうな感触なので楽しみにしています。5Rのアララギはデビュー前から追い切りに乗せていただいていました。使ってから良くなりそうな印象を持っていたので、距離延長と相まって競馬しやすくなるはず。6Rのヒメゴゼンは間隔こそ空きましたが順調に仕上がりました。道悪が得意ではないフットワークなので、あまり馬場が悪くならないでほしいですね。
日曜も東京で5鞍に騎乗します。1Rのコリコは今週の追い切りに乗せていただきましたが、いい動きだったと思います。レースには初めて乗りますが、感触的にチャンスがある一頭ではないでしょうか。3R(新馬)のフォトスフィアは先週除外でその分しっかりと今週もやれました。2週続けて乗せていただいて仕上がった印象です。ゲート練習も詰めており、初戦から力が入りますね。4Rのポップコーントーンの初戦は思っていた以上に実戦向きの走りでした。上積みとコース替わりでもう一歩前進に期待しています。8Rのソスピタは東京1400mが一番合っています。前走惨敗は輸送もあり気持ちが途切れてのものだと思うので、中4週の平常心で臨めれば巻き返してくれるはず。
今週はルールがちゃんとは分からないながら北京オリンピックのカーリングをちょいちょい観ていました。テレビにゲーム中の声が全て拾われていて、作戦や心理が分かるのが面白いですよね。日本人同士のゲームを観たことはありませんが、ちょっと興味が湧いています。先程(木曜夕方)、ロコソラーレ・日本代表はスイスに負けてしまいましたが、他国結果の兼ね合いで準決勝に進出!あと2試合、頑張ってほしいですね。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。