一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
マーチSはマイネルユキツバキに騎乗
2022/3/24(木)
3日間開催はミニョンルミエール(1人気2着)が最高着順。今回もいい内容の競馬をしてくれたのですが、何かしら立ち塞がりますね。悔しいですが、勝ち馬を諦めざるを得ない0秒2差でした。フォースオブウィル(5人気3着)はスタートに課題が残ります。狭い所をしっかり伸びて内容は悪くないのですが、次走までに修正して勝ち切ってあげたい。サパテアール(4人気4着)は返し馬からヤル気があって、2走前より集中して走れていたと思います。間隔を詰めたほうがいいですね。惜しむらくはメンバーが強力でしたが、相手関係ひとつというところまできています。
この土曜は中山で4鞍に騎乗します。1Rのルピコラは自分が乗るのは初戦以来ですが、当時の感触から未勝利で苦戦しているのが不思議に思えるほど。中間の調教には跨っていないものの、牝馬限定の1200mなら前進できるイメージがあります。5Rのネレイドの前走は行きっぷりが本当ではなかったので、休み明けでの昇級が堪えたのだと思います。追い切りの感触も良かったので、間隔を詰めて期待しています。12Rのマイネルイリャルギは実績的にこのクラスでも通用するのですが、最近はムラがあって力を出し切れていない感じ。これまでの乗り方を振り返って、工夫を凝らしてみたい。
日曜も中山で3鞍に騎乗します。マーチSのマイネルユキツバキの前走は長期休養明けで斤量59キロが堪えていました。使いつつ調子を上げていくタイプなので、ハンデ戦と相まって前進してくれると思います。4Rのブルボンティアラは崩れずに毎回自分の力を出し切ってくれます。中山1800mはベストに近い舞台だと思いますので、調子のいいうちに結果を出してあげたい。12Rのコスモカッティーボは間隔を詰めて、調教の感触も良かったです。前走も終いの脚は目立っていたので、もう一歩前進があるタイミングではないでしょうか。
先週然り人気に推していただいたレースを勝ち切ることができず、関係者やファンの皆さんに申し訳なく思っています。しっかりトレーニングを積んで自分は元気一杯ですし、メンタル的にも空回りしている訳ではありません。幸い、大好きな中山開催が続きますので、ひたすら勝利を求めて一戦一戦を丁寧に乗っていきます。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。