一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
一頭入魂の日曜日
2022/3/31(木)
先週はマイネルイリャルギ(14人気3着)が最高着順。よく研究して臨みましたし、具合も良かったのでキッカケになる内容になったと思います。この感じで次走に向かえれば大きなチャンスがありそう。ルピコラ(7人気4着)は元々いいモノを持っている馬で、立て直して状態も良くなっていました。改めて次走が楽しみになりました。マーチSのマイネルユキツバキ(16人気15着)は一度使っての変わり身を期待していたのですが、気持ちがなくなっている感じ。いい時はガツガツくるところがあるので、もう少し時間がかかるかもしれません。オープン特別を2勝している馬なので、ここにきて斤量面でも苦戦しています。
この土曜は中山で5鞍に騎乗します。1Rのドリーマーイモンは他馬を気にする面があり、まだ自分の力だけ走り切っていない感じ。もっとやれるイメージはあるので、そろそろキッカケを掴んであげたい。2Rのコリコは東京1400mなら中山1200m向き。なかなか短い番組に入れず間隔は空いていますが、状態面は維持しており前進を見込んでいます。
4Rのミニョンルミエールは本当に相手関係ひとつという段階。中間の調整は厩舎サイドにお任せしていますが、改めての牝限定戦で勝利あるのみです。7Rのケッツァーは休み明けですが、前走まで強いメンバーと戦ってきました。先行力があってコースも向きそうなので、今の自己条件なら頑張ってくれると思います。8Rのマイネルレンカは年齢的に大きな上積みはないかもしれませんが、新馬から跨ってきて思い入れがある一頭。何とか入着を目指しながら工夫して乗りたい。
日曜も中山で9Rのアケルナルスターに騎乗します。また乗せていただけるのが本当に有難い素質馬。ここ3戦は重賞で戦って力をつけており、自己条件に戻れば自ずと力が入ります。とりわけ中山なら少頭数の2200mが一番合うと思うので、重賞戦線に戻るためにも勝っておきたい。
今週に入ってランニングコースの桜が八分咲き。トレーニングにも精が出ます。競馬場も返し馬に行くと絶景なので、ジョッキー達もこの時期は思わず「綺麗だな」と声が漏れてしまったりします。今週は何としても決めたいレースがあるので、勝って気分良く満開の桜を堪能したいと思っています。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。