一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
今週も一発を狙って乗ります
2022/5/12(木)
先週は騎乗馬が総じて人気以上の走りをしてくれましたが、勝ち切ることができず。ルピコラ(8人気2着)は一戦毎に内容が良くなってきたところでコース替わりもマッチしました。東京開催のうちに何としても決めてあげたい。初めて乗せていただいたタクティーレン(13人気2着)は、これまでのレースを研究してイメージを持って乗ったことが奏功しました。あそこまでいったら勝ちたかったというのが本音ですが、馬にとってもキッカケになるレースだったと思います。
マイネルクリソーラ(14人気3着)は前走時と同じくらいテンションが高かったものの、ゲート裏でなだめて気持ちを保つことができました。スタートも上手く出て道中いいポジションを取れましたし、東京コースでこの結果が出たのは収穫でした。惜しむらくはダービーの出走権でしたが、ここでの走りを次にも繋げてあげたい。サンライズオネスト(2人気4着)は馬場が速すぎて、適性ある馬に残られてしまった格好。前回乗せていただいた時よりも馬は良くなっており、一生懸命に走っています。充実ぶりに納得の素晴らしい状態でした。
この土曜は東京で2鞍に騎乗します。2Rのゲンショウは前走乗った感触と内容が悪くなかった。今回は1Fの延長になりますが、追走面からもこれはマッチしそう。もうひとつ良くなりそうな感触があったので前進に期待しています。5Rのチューウィーは間隔が空いていた前走でも頑張っています。休み明け2戦目の上積みが見込め、時計がかかる馬場にも対応できるタイプです。
日曜も東京で2鞍に騎乗します。 4Rのコスモエクスプレスは気難しいところがありつつも、前走で手の内に入れることができました。同じ条件で続戦できるのもプラスなので、馬の気持ちを尊重しつつ上手く乗ってあげたい。8Rのイザニコスは未勝利で勝っている舞台。適度な間隔の休み明け2戦目、時計がかかる馬場と前進できる要素が揃ったように思います。2歳時以来の騎乗ですが楽しみにしています。
昨日はダチョウ俱楽部の上島竜兵さんの訃報に耳を疑いました。ご冥福をお祈りいたします。芸能界に限ったことではありませんが、コロナ禍になってプライベートで人と接する機会が少なくなっているのも関係しているのかもしれませんね。実際に僕も調教と競馬の繰り返しだけで時間が過ぎているので、トレーニング以外で夢中になれる趣味を見つけたいと思っていたところです。発表されているように、オークス週から東京競馬場は最大で約7万人が入れますので、ファンの皆さんは週末の気晴らしに是非ともいらしください。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。