一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
ダービーウィークを盛り上げましょう
2022/5/26(木)
先週はキタノホマレボシ(8人気4着)が最高着順。戦前にも書かせてもらったように、少しずつ良くなっています。2走前同様、前が止まらない馬場で届きませんでしたが、展開含めてかみ合えば勝てそうな段階まできています。コスモダークナイト(8人気5着)は東京2400mが合っていて、今回も一生懸命に走ってくれました。何かの助けが欲しい部分はありますが、適性が掴めたのは大きいですね。
この土曜は東京で5鞍に騎乗します。3Rのマイネルシデンは新馬以降のリズムが案外なので、キッカケを掴むべく条件を替えて初芝。前進があってほしいタイミングです。5Rのマイネルアカツキは体が使えるようになってきましたが、少しずつ良くなっているという段階。詰めて使える分の上積みに期待しています。8Rのフォーチュネイトは中間に色々あって休養が長くなってしまいましたが、休み明けでフレッシュな時のほうが頑張れるタイプ。1勝クラスなら上の力があるので、気持ちの部分でカバーしてくれませんか。11Rのメイショウダジンは前回乗せていただいた時はゲートが全てでした。その後は交流重賞などでも力を示しているので、もう一度研究して依頼をいただけた期待に応えたい。
日曜も東京で5鞍に騎乗します。2Rのルピコラは一戦毎に内容が良くなって、勝ち負けを意識できる段階まできています。条件ベストの牝馬限定戦なので、ダービーDAYに決めてあげたい。3Rのタクティーレンの前走は人気こそありませんでしたが好内容で頑張ってくれました。あのレースは感触が良かったので、再現できるようなイメージで乗りたい。8Rのマイネルステレールは上がりの勝負になると分が悪いのですが、ここ2戦はこの馬とすれば忙しい条件でも頑張れています。日本ダービーと同じコースでアッと言わせるような競馬がしたい。工夫を凝らして乗ってみます。
コロナ禍もあってトレセンの雰囲気は普段のG1週と大きく変わらないのですが、テレビCMや雑誌、新聞の盛り上がりを見るとやはりダービーなんだなと感じます。自分も乗りたかった…。先週のオークスは懸念していたように初めての大観衆でテンションが上がってしまった馬もいてアクシデントが重なりましたが、今週こそは何事もなく全馬ゲートインしてほしいですね。自分は他のレースで頑張ることになるものの、ファンの皆さんも素晴らしいダービーウィークをお過ごしください。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。