一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
土日14頭に乗せていただきます
2022/8/11(木)
先週は新馬2頭の3着が最高着順。コスモバラタ(4人気)は調教をしっかりこなして競馬に向かえました。周りに気を使う馬で道中の進みこそよくありませんでしたが、最後まで頑張っています。上積みが大きそうなタイプなので、次走はもっと楽に追走できるのではないでしょうか。コスモアバンサ(11人気)も調教で能力は確認できていました。気性的に難しいところがあって戸惑いながらの走りでしたが、直線外に出してからは思っていたとおりの末脚。もう少し気持ちをコントロールができるようになれば、すぐに勝ち負けできそうな感触です。シルヴァーゴースト(7人気4着)は内枠が欲しいところでした。それでも前3頭にはキレ負けしつつ、外から長く脚は使っています。コントロールしやすい従順な馬で、距離がもう少しあったほうがいいかもしれません。
この土曜は新潟で7鞍に騎乗します。1Rのワクワクルンルンの前走は勝ち馬が強すぎた印象でしたが、2戦目で競馬を覚えて内容は良くなりました。中1週の反動さえなければもう一歩前進してくれそう。3Rのルピコラの前走は心身ともに連戦の疲れがあったのだと思います。間隔を空けた今回は万全のはずなので、自身の力さえ出せれば勝ち負けになるはず。6R(2歳新馬)のクライノートは2週続けて追い切りに乗せていただいており、感触を掴んで臨みます。牝馬限定戦で1400mという舞台もピッタリ合いそう。デビュー勝ちを狙って頑張りたい。
8Rのハイスピリッツは2走前に船橋の交流で乗せていただきました。当時は休み明け感があったので、2回使って集中力が増していれば前進が見込めそう。9Rのマイネルパリオートは休み明けを一度使いましたが、良かった頃の感触にはもう一歩。距離は2000mのほうがいい馬なので、相性のいい新潟コースでキッカケを掴んであげたい。10Rのルミナスラインは2勝クラスでも十分にやれる走力がある馬。前2走こそ案外も、リフレッシュ効果があれば1400mがいいほうに向いてくれませんか。
日曜も新潟で7鞍に騎乗します。3Rのショッキングブルーはレースで初めて乗せていただきますが、デビュー戦でいい先行力を見せていました。使った上積みもありそうなので、よく研究していいエスコートをしてあげたい。5R(2歳新馬)のビルドラポールは先週の追い切りでしっかり追いました。その前にも要所で乗せていただいており、ゲート練習や本馬場でも感触を掴めています。上がりの速い高速馬場への適性こそ未知も、状態面の良さで対応してくれませんか。
6Rのヒメゴゼンは本当にあとひと押し、相手関係ひとつという段階。前走は自分の病欠で乗れなかった経緯もあるので、このタイミングで何としてもの思いです。8Rのマイネルサハラの前走はブリンカーが効いたようでいい内容でした。同じように集中して走ってくれさえすれば、このクラスも突破できる馬です。12Rのガトーフレーズは勝ち上がってから苦戦していますが、実績からも左回りの1400mがベストの舞台。休養前は馬体も減っていたので、立て直したフレッシュさと52キロの斤量でキッカケが掴めませんか。
病み上がり後は先週→川崎、今週→浦和と平日も交流競走に参戦させてもらっていますが、勝つことができず歯痒い思いをしています。来週は大井に乗りに行きますので、そちらも力が入るところ。この週末然り、時間がなくなってきた3歳未勝利馬を勝たせてあげることに心血を注いでいきます。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。