一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
3歳未勝利は何としてもの思いです
2022/8/18(木)
新潟開催は厳しい結果が続いています。ビルドラポール(8人気7着)は、調教でやってきたことはしっかり競馬でもできていました。使いつつギアの上がりづらいところが良くなっていけばチャンスも出てくるはず。
期待していたクライノート(2人気8着)はスローからのよーいドンの展開で反応しきれなかったという印象。直線に向くまでは上手に立ち回れていたのですが、内枠も仇になってしまいました。間違いなく能力はある馬なので、この経験が次走に活きてくるはず。
この土曜は新潟で6鞍に騎乗します。3R(2歳新馬)のマイネルアラウダはここ2週の調教に乗せていただきましたが、まだ体を使い切れていない感じ。経験を積みつつ上向いていくタイプかもしれません。
5R(2歳新馬)のタイシャククリゲは乗り込み十分で初戦から走ってくれそうなタイプ。ゲートの出が速く、何度も調教に乗せていただいて感触を掴めています。
6Rのコスモブライヤーは1年振りに芝に戻ります。新馬の頃は体力がなかったので、今の感じなら変われて不思議ないと思っています。
7Rのチューウィーは絶対に未勝利では終わらせたくない馬。常に頑張って走ってくれるので苦しいところだとは思いますが、もうひと踏ん張りさせて勝つことだけを考えて乗ります。
11Rのマイネルマーティンは1年半振りに乗せていただきますが、最近のレースからも成長が顕著。とにかく調子が良さそうなので、結果に結びつけられるように頑張ります。
12Rのスウィートブルームは前走のように時計のかかる馬場が理想。土曜は後半から雨が降りそうな予報なので、そのあたりのタイミングもかみ合ってくれませんか。
日曜も新潟で6鞍に騎乗します。2Rのマイバラードは一戦毎に少しずつ力をつけています。競馬が分かってきた印象も受けるので、続けて同じコースで走れるのはいいですね。
3Rのランプロティタも何としてもというタイミング。左回り1400mがベストの馬なので、勝たせてあげるべく全力を尽くします。
4Rのミニョンルミエールは毎回一生懸命に走ってくれるタイプ。疲れが心配ではありますが、少し展開が抜いてくれれば地力上位であることは間違いありません。この馬もとにかく勝たせてあげたい。
6Rのマイネルシデンは時計がかかってしぶとさが活かせる馬場が理想。展開利は見込めそうなので、願わくば土曜の雨が残ってほしい。
10Rのマイネルステレールは展開がかみ合いそうな少頭数。自分の力は出し切ってくれる馬なので、ひとつでも上の着順を目指します。
11Rのウルトラマリンは昨年の2着馬で、関西厩舎から有難い依頼。一番合っているコースという印象があり、よく研究してスピードを存分に活かしてあげたい。
先週は台風の影響も受けつつ凄まじい天候。上がってくるタイミングで雷が近くにドーンと落ちて、馬も人もあれにはビックリしました。新潟は他場に比べても天気の変わり目が極端なのですが、それにしてもハードでした。前が見えないくらいに雨が降っている時間もあったので、今週の予報を見て少しほっとしています。
開催が進んで乗せていただく馬にチャンスある馬場状態になってきたので、とりわけ3歳未勝利は何としてもの思いです。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。