一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
勝利で飾りたい夏の新潟最終週
2022/9/1(木)
先週はマイネルフォルツァ(5人気)の4着が最高着順。距離を延ばして追走が楽になり内容は良くなったように思いますが、最後のゴール板前で苦しくなったのか、頭を上げて外にモタれてしまいました。中山コースが合いそうな感じも受けるので、課題を修正しつつ次走は力が入ります。
初めて乗せていただいたバーンパッション(11人気5着)は今までのレースを研究して、最後にひと脚を使わせる選択をしました。いいモノを持っており、坂があるコースで展開が向いてくれれば際どい結果になりそう。またチャンスをいただきたいですね。コスモジョセフ(4人気5着)は砂を被っても問題なく、初戦とすれば及第点の内容でした。使えばさらに良くなるイメージがあったので、改めて次走に期待したい。
この土曜は新潟で7鞍に騎乗します。2Rのコスモアバンサは今週の追い切りに乗せていただきましたが、確実に上積みを感じました。当日は返し馬でテンションを上げないように気を付けて、平常心で臨ませてあげたい。能力がある馬なので改めて楽しみです。
5R(2歳新馬)のマイネルカンパーナは続けて追い切りに乗せていただいて気持ちが入っています。そこに体が伴っていない部分もあるので、使いながら上向いていってほしい。6Rのチューウィーは毎回同じコメントになってしまいますが、未勝利で終わってはいけない馬。細かいところまで気を付けて、最後の番組で全力を尽くします。
7Rのサバイバルアートはデビュー戦以来となる1800m。前走こそ案外の走りでしたが、力さえ出せれば勝負になっていいはず。この馬もラストチャンスで力が入ります。10Rのコスモスタックは調子がいいとお聞きしています。先行力が持ち味の馬なので、気分良く走らせて展開利を見込みたい。
日曜も新潟で8鞍に騎乗します。1Rのコスモバラタはデビュー戦後も2回ほど跨って上積みを感じています。かねてから素質を感じており、このタイミングで勝たせてあげたいところです。
2Rのアントルメグラッセは一戦毎に内容が良くなっており、前走は勝負所で窮屈になっての0秒2差。1400mのほうが乗りやすそうな印象もあり、スムーズな立ち回りで前進させてあげたい。3Rのコスモガラクシアは詰めて使っていた休養前に気難しさを出していたので、むしろ久々がいいほうに向いてくれませんか。気分良く集中して走らせてあげれば差がないはずの馬です。
4Rのコスモブライヤーは芝に戻った前走でいいところを見せてくれました。時計がかかる芝がベストという印象なので、この番組で持ち味を引き出してあげたい。5R(2歳新馬)のコスモチプリアは続けて追い切りに乗せていただいています。凄く素直で真面目なタイプ。体が使い切れていない面もあるのですが、使いつつ変わっていきそうです。
8Rのローズピリオドの前走は休み明けかつ昇級で時計も速いレースでした。休み明け2戦目、勝っているコースで前進に期待しています。9Rのソスピタはこの休み明けがいいですね。中間の追い切りに乗せていただいてフレッシュさを感じています。今は走る気が前面に出ているので、後ろ向きになっていた前走までとは違うはず。
今年は福島開催が好調で、昨年悪くなかった新潟でも勝ち星を積み重ねる意気でしたが、勝利がないままオーラスを迎えてしまいました。そんな中でもチャンスある15頭に乗せていただけることに感謝しかありません。夏競馬の集大成となるよう、得意の中山開催にいい形で繋げられるよう、内容だけでなく結果に拘りたい最終週です。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。