一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
勝手知ったる馬達と臨む3日間
2022/9/15(木)
先週はシルヴァーゴースト(4人気2着)が最高着順。開幕週の大外枠で前半押して位置を取った分が響いたものの馬は頑張ってくれました。これが内枠で自分のリズムだったらと思うともどかしいですが、次走で何とかしてあげたい。クライノート(6人気4着)はとても上手に競馬をしてくれました。使いつつ良くなってくる血統なので、初勝利が近づいてきたように思います。
マイネルサハラ(1人気4着)は思いのほか勝負所でモタついてしまいました。14キロ増だったように、本調子までもう一歩だったのかもしれません。上積みあるはずの次走で巻き返したい。京成杯オータムHのコムストックロード(10人気8着)はもう少しペースが流れてくれると思っていましたが、案外によーいドンの展開。それでも内枠から上手に立ち回ってくれました。むしろ1600mは良かった印象があるので、経験を積みつつ重賞でも善戦していけそうです。
この土曜は中山で6鞍に騎乗します。2Rのマイネルアラウダは連闘。まだ走り方が雑な感じがあるので、競馬を覚えてくれての一歩前進に期待したい。3Rのショッキングブルーの前走は、一度使われて状態的に苦しかったのだと思います。テンションが上がりすぎていた印象でした。普通に走れれば当然に巻き返せるだけの力がある馬です。
5R(2歳新馬)のパラダイスシティは続けて追い切りに乗せていただいています。まだ体力的に物足りなさを感じるので、使いつつ力をつけていくタイプかもしれません。7Rのギンノサジは北海道の長距離戦でも頑張れていましたね。条件は望むところなので、展開や馬場がかみ合えば十分にチャンスがあるはず。
10Rのソスピタの前走は調教こそ良かったものの、止まり方から休み明けの分だったと思います。使って距離的にも守備範囲なので一歩前進を見込んでいます。12Rのマイネルクリソーラの前走はプリンシパルSで3着。1週前追い切りの感触が良かったですし、久々でも動けるタイプなので期待しています。
日曜も中山で8鞍に騎乗します。1Rのタイシャククリゲは芝でデビューして今回はダート1200m戦。適性さえマッチすれば、すぐに目途が立つはずの馬です。2Rのビルドラポールは中間にゲートで暴れてしまって仕切り直しなのですが、練習では問題ないところまできています。中山は合いそうに感じるので、一歩前進してくれるはず。
3Rのコスモジョセフは1200mでデビューして、今回は1800mに距離を延ばします。力はある馬なので、コース替わりと相まってかみ合ってくれませんか。8Rのスウィートブルームは追い切りの感触も良く、前走からの上積みを感じます。新潟なら中山向きなので、さらに一雨でもあれば大きく変われそう。
9Rのコスモノアゼットは実戦で初めて乗せていただきますが、一連の内容からもチャンスが近づいている馬。しっかり研究して結果を出したいです。10Rのコスモインペリウムの前走は長期休養明け。一度使ってどこまで変われるかも、必ず走ってくる馬なので、次に繋がる内容にしてあげたい。
祝日開催の月曜も中山で6鞍に騎乗します。2Rのコマチザクラはデビュー戦でヨレてしまって調教再審査明け。それは問題なくクリアして、むしろ追い切りは好感触。競馬に行っても力を出し切れれば勝負になるレベルです。3Rのコスモスプモーニは芝1600mからダート1200mへの条件替わり。初戦はワーッと走って終わってしまったので、競馬を教えるイメージで次に繋げてあげたい。
4Rのマイバラードは課題のゲートをクリアして、使いつつ競馬が上手になってきました。中山コースも合いそうなので期待しています。8Rのマイネルオーサムはどうしても気持ちが入らないため、チークピーシズからブリンカーに換えての距離延長。条件は合うはずなので、力さえ出してくれればというところです。
9Rのスズノイナズマは気性が難しいところこそありますが、今回はテン乗りで勝たせていただいたコース。休み明けでも走ってくれそうなイメージがあるので、気持ちを削がないように心掛けます10Rのマイネルステレールは前走も精一杯に頑張っています。大きな変わり身こそありませんが、少頭数と今週の天候はマッチしてくれそう。
開幕週の中山競馬場はお客様の戻りを実感して張り合いがありました。速すぎるくらいの馬場や枠順がかみ合わず勝ち切れませんでしたが、自分的にしっくりくると言いますか、やはり戦いやすいコースです。今週のラインナップは雨が降っても問題ないので、週末の傘マークは望むところ。来場するにあたっては酷な天候かもしれませんが、引き続き応援よろしくお願いします。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。