一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
今週の騎乗馬は全頭背中を知っています
2022/11/3(木)
先週は着順こそ振るわない2日間になってしまいましたが、どの馬も内容的には頑張ってくれています。力の差が出やすい東京コースで次に繋がるレースはできたと思いますので、勝利への過程と捉えて人馬で精進していきたい。
この土曜は東京で7鞍に騎乗します。1Rのコスモジョセフの前走は、結果として微妙に距離が長い印象もありました。力があることは分かっているので、1300mに詰めて流れに乗せていけば巻き返せるはず。
4Rのピンキープロミスは初戦の内容が悪くなかった。一度使って動きも良くなっているので、もう一歩前進させられる感触です。5R(2歳新馬)のエクメディゴールドは続けて追い切りに乗せていただいています。いい素質を持っている馬ですが、まだ体を使い切れていない印象があります。先々走ってくるのは間違いなく、現段階でどこまでやれるか楽しみなデビュー戦です。
6R(2歳新馬)のプレシャスストーンはしっかり調教を積んで好仕上がり。ただ、ゲートが速くないという話なので、金曜朝に感触を掴みます。少しでも出して、流れに乗せていけるかが鍵になりそう。7Rのスノーグレースの前走はモマれずに上手くいきました。気難しいところがあるので、馬の気持ちを損なわずスムーズに立ち回ってあげたい。
8Rのアニージョは、ひとつ勝った後が案外の成績なので距離を1300mに短縮してみます。調教の動きは凄くいいので、このタイミングで変わってくれませんか。9Rのコスモオリはこのクラスでもやれる力はあるのですが、近走は気持ちが入ってこず、調教でもなかなかハミを取ってくれません。ハンデ53キロでキッカケを掴みたいところです。
日曜も東京で3鞍に騎乗します。2Rのラジェルブの前走は、競馬を一度使って行きっぷりが違っていましたね。牝馬限定戦に戻ってもう一歩前進させてあげたい。
5R(2歳新馬)のマイネルペルセウスは今週の追い切りに乗せていただき、悪くない感触でした。使いつつ上向いてくる血統ではありますが、現状の力は出せるはずの態勢です。6R(2歳新馬)のワビスケも厩舎サイドがしっかり乗り込んでくれています。もう少し体力がついてほしい部分もありますが、芝1400mというデビュー戦はマッチしそう。
今週は休日に日光まで行ってきました。気候も丁度良くて、最高の紅葉に癒されました。お食事処で聞いたところ、土日は大渋滞でいろは坂を超えるのに3時間もかかるとか…。平日にしては人手が多い気もしましたが渋滞に巻き込まれることはなく、月曜がお休みで良かったなと感じた瞬間でした。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。