一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
JC週の2場開催でいただけた依頼に感謝しています
2022/11/24(木)
福島に遠征した先週はエリダヌス(1人気2着)が最高着順。どうしてもスタートが出ない馬なので、1枠でペースが落ち着いたことが仇になってしまいました。進路ができるのを待たされつつ差を詰めてという内容なので、少しでも枠順や展開が向けば勝てる段階まできています。エクメディゴールド(10人気4着)は輸送あってのプラス体重でしたが、一度使ったことでしぶとく最後まで頑張ってくれました。相変わらず乗り味が良くてゲートも上達していたので、次走はもうひとつ着順を上げられそう。
この土曜は東京で2鞍に騎乗します。5R(2歳新馬)のダイナマイトレディはゲート試験からずっと乗せていただいています。気持ちは強い馬なのですが、まだ体がついてきていない印象。使いながら上向いていくタイプかもしれません。10Rのオーマイガイの前走は同型が多くて、熾烈なポジション争いに付き合ってしまった格好。前半モマれると良くないので、相手関係や枠順がカギになります。ただ、東京1400mがベストで好走パターンのイメージは掴めているので、2走前のような走りをさせてあげたい。
日曜も東京で3鞍に騎乗します。1Rのコスモジョセフの前走は思っていたよりも反応が鈍かったので今回はメンコを外します。調教の動きは抜群なので、そのあたりと1400mがかみ合ってくれれば、もっともっと上があります。
6R(2歳新馬)のライルアケカイは続けて追い切りに乗せていただいており、とても素直で注文が少ない馬です。ただ、現状は追ってから伸び切れないので、使いながら少しずつ体力がついてほしいところ。11Rのピュアブレンドは、この2場開催でまた乗せていただけることに感謝しています。前走でゲートの癖を掴めたので、上手く出して流れに乗せていけば自ずとチャンスが生まれるはず。
最近は調教後に週3くらいで市の施設プールでトレーニングとして水泳を取り入れています。筋トレで張った体がほぐれますし、何よりも質のいい睡眠に結びつきます。何故この話題にしたかと言いますと、昨日(水曜)は自宅の2階で早々と寝ていたところ、妻の叫び声や地震かと思うくらいの振動があったんです。はい、サッカー日本代表の応援でした。
自分は改めて早朝に試合を観たのですが、あのドイツ相手に素晴らしいですよね。前日にはサウジアラビアがアルゼンチンを下していたりと、アジアのレベルアップを誇らしく思います。振り返れば、日本競馬の歴史もそうだったんですよね。そんな今週のG1はジャパンカップで、残念ながら騎乗はありませんが、まだまだ目標にしていきたいレースです。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。