一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
まだまだ騎手として頑張ります!
2022/12/8(木)
中山開幕週は初めて乗せていただいたエクトゥシュタール(11人気4着)が頑張ってくれました。背中がいい馬でしたし、ダート短距離という条件がマッチしたのだと思います。続けて同じ舞台を使っていけば勝てる感触なので、また頑張りたいです。
この土曜は中山で6鞍に騎乗します。4Rのフェスティヴビームは一戦毎にレース内容が良くなっており、調教でも上積みを感じます。好仕上がりで中山替わりも問題ないと思うので、今回もいい競馬になるはず。6R(2歳新馬)のインテンスシチーは今週の追い切りに乗せていただきましたが、前向きな気持ちに体がかみ合っていない印象。体の使い方を覚えながら良くなっていくタイプかもしれませんね。
7Rのコウキは9ヶ月の休み明けになりますが、調教の感触は以前よりも良くなりました。ただ、テンションが凄い馬なので、レースにどれだけ落ち着いて臨ませられるか。パドックや返し馬のムードがひとつのカギです。12Rのヒットザシーンは昇級緒戦の前走は着順ほど悪い内容ではありませんでした。暖かい時期のほうがいいタイプのようにも感じますが、クラス慣れを見込んでもう一歩前進させてあげたい。
日曜も中山で5鞍に騎乗します。3Rのエクメディゴールドは2戦目の前走で成長が見られました。中山1800mはマッチしそうな感触なので、勝ち負けまで持っていければと期待しています。
6Rのプレシャスストーンはどうしてもゲートが課題。じっくり運ぶ競馬でどれだけの脚を使えるか。体がない馬なので、少しでも増えて欲しい願望はあります。9Rのコスモルーテウスは転厩緒戦で、この中間は跨っていません。気性に課題があってイメージでは滞在向き。当日の落ち着きと、どれだけなだめて乗れるかがカギになります。
10Rのアインゲーブングの前走は、久々に乗せていただいた前走が好感触。実績どおりに右回りは乗りやすくなるはずなので、立ち回りひとつで着順を上げられそう。12Rのアルママは精神的な脆さから続けて使えないのですが、この中間はしっかり乗り込んで以前ほど調教でもヤメてしまうようなところを見せなくなっています。かつてはダービーを目指して青葉賞に出走した馬。自分の力さえ出せれば、能力は2勝クラスでも見劣りしません。
今朝(木曜)は調教師二次試験の発表があり福永祐一騎手が合格されました。自分とは競馬学校の同期で、高橋亮調教師に続いて2人目の転身となります。今年も騎手として100勝近く勝っていて、自分からすると羨ましく勿体ないと感じてしまうほど。さらにやりたいことを目指してピークの状態で次のキャリアを目指すのは探求心ある彼らしく、間違いなく調教師として大成功するはず。今週は日曜中山で顔を合わせるので、お祝いの言葉を伝えたい。そして、自分はまだまだ騎手として頑張ります!福永祐一厩舎の馬に乗せてもらうのもひとつの目標としたいですね。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。