一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
同期の引き際を羨ましくすら思います
2023/2/16(木)
先週はアインゲーブング(11人気5着)が最高着順。地力勝負の東京コース、メンバーも揃っている中でしっかり走ってくれました。状態も安定しており牝馬限定戦であればメンバーひとつという段階まできている印象です。
開催最終週の土曜は東京で3鞍に騎乗します。5Rのフェスティヴビームは初めて距離が延びるので、そのあたりに気を付けて乗りたい。間隔は空きましたがしっかり乗り込んでおり、適性がマッチすれば前進もありそう。
6Rのワビスケは先週追い切りに乗せていただきましたが、体を使えるようになって感じがいい走りでした。少し間隔こそ空いていますが前進できると思います。9Rのマイネルビジョンの前走は状態的に本物ではなかったように感じました。この中間は跨っていませんが、東京コースは悪くない馬なのでクラスに目途を立ててあげたい。
日曜も東京で3鞍に騎乗します。2Rのビップスコーピオンは前走から着けたパシュファイヤーの効果で砂を被っても我慢できるようになってきました。東京2100mは一番合っている舞台なので、開催最終週とあって力が入ります。10Rのマイネルミュトスはこの中間に乗せていただいていますが、いい状態できています。好調後に脚を痛めてしまっての久々がカギになりますが、条件は悪くないハンデ戦なので頑張ってくれるはず。
今週日曜は競馬学校時代の同期でもある福永祐一騎手の最終騎乗日になります。今年も先週までで17勝しており、最後の交流重賞(佐賀記念)を勝つなど絶好調。全盛期に騎手を引退するという引き際を羨ましくすら思います。研究熱心さと分析力は皆が知るところ、肝が据わっていて何事にも動じない冷静さが実績を積み上げた秘訣だと思います。話が上手で人当たりも柔らかいので、調教師という仕事は性格面からも合っているはず。自分はまだまだ現役を続けるので、福永祐一厩舎に乗せてもらえる機会に巡り合えるように頑張っていきたいです。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。