一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
中山記念はナイママに騎乗
2023/2/23(木)
東京最終週はビップスコーピオン(3人気2着)が最高着順。今までの課題を全てクリアできて着順以外は文句なしの内容だったのですが、人気上位馬に先着しながら単勝万馬券のダークホースに勝たれてしまいました。馬も走り切ってくれた感じがあるため、少しリフレッシュすることになります。改めて東京開催が目標になると思いますが、次走でしっかり勝ち上がらせてあげたい。
開幕週の土曜は中山で5鞍に騎乗します。3Rのキタノクーヴェルはデビュー戦以来に乗せていただきますが、前走は終いに脚を使えており、一戦毎に競馬を覚えてきた印象があります。このコースも2戦目なので、もう一歩前進がありませんか。
5Rのクライノートは間隔こそ空いていますが、中間にしっかり乗り込んで好仕上がり。一連の内容から中山マイルもマッチしているので力が入るタイミングです。8Rのフォーチュネイトはワンターン向きではありますが、東京最終週は入れずにこの番組。ともあれ未勝利を勝っている舞台ではあるので、馬のリズムを崩さずに持ち味を活かしたい。
9Rのフェアエールングの前走は差がない7着で悪くない内容でした。一生懸命になりすぎる馬なので折り合い面に気を付けつつ、少頭数で優位になるようなペースに持ち込みたい。10Rのヒットザシーンはコンスタントに使ってきましたが調子落ちなく順調に来ています。前走は東京2000mでも崩れずに走ってくれましたが、ベストといえば今回の中山1800m。牡馬相手でも結果が欲しい一戦です。
日曜も中山で5鞍に騎乗します。中山記念のナイママは小倉大賞典除外でここになりますが、乗せていただけることになったという意味では有難いです。かなりメンバーが揃っている一戦も、中山1800mは悪くない舞台。思い入れある馬なので上位目指して頑張ります。
2Rのバンブトンプロは今週の追い切りに乗せていただきましたが動きはイイです。難しいところがあるので、気持ちの部分がかみ合うようにリズム良く走らせてあげたい。3Rのベルウッドアラシは少しずつ良くなってきて同じコースの3戦目。今回も人気以上の走りをしてくれるはず。5Rのマイネルアラウダは追い切りの動きが悪くなかったので初めての芝適性に期待したい。条件がマッチすればもっと走れそうな感触があります。
今週は休日の月曜に家族で群馬県の川場スキー場に行って来ました。その目的は10代の頃からやっているスノーボード。天気も良くて上のほうまで登れば雪も最高のコンディションで、とてもいい息抜きになりました。怪我には気を付けて滑りましたが筋肉痛になるようなこともなく、馬に乗っているほうがよっぽどハードだなと改めて思いました。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。