一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
中山コース向きの馬に乗せていただきます
2023/3/2(木)
中山開幕週はクライノート(4人気5着)が最高着順。4角から仕掛けた時には一瞬オッと思ったほどで申し分のない内容でした。最後伸び切れなかったのは休み明けの分だと思いますので、タイプ的にも続戦の次走は力が入ります。中山記念のナイママ(14人気12着)はもちろん相手関係もあるのですが、やはり硬い馬場が合わない印象でした。それでも馬の状態は本当に良かったので、条件のかみ合うレースがあればまだまだ頑張れます。
この土曜は中山で12Rのマイネルイリャルギに騎乗します。現級でもこのコースで3着があるように条件的には悪くありません。上手く流れに乗せつつ願わくばペースが向いてほしい。
日曜も中山で4鞍に騎乗します。5Rのコルテローザの初戦は人気こそありませんでしたが、最後はしっかり脚を使って次に繋がる内容でした。どうしてもゲートが速くないので距離が延びるのは歓迎。中山なら2200mでこそというタイプだと思います。6Rのマイネルズーメンはスタート後、外に逃避しての競走中止明けも、中間のゲート試験は問題なくクリアして相変わらず追い切りの動きは抜群です。パドックから返し馬と気持ちを落ち着かせて臨めさえすれば巻き返せる舞台だと思っています。
7Rのサパテアールは間隔を空けて重めだったので、この中間はしっかりと乗り込んできました。今週の追い切りは本来の動きまで戻っています。あとは気持ちの部分に課題があるのですが、手の内に入れている強みで途切れさせない乗り方を心掛けます。9Rのピュアブレンドは初距離ですが延びる分には歓迎というタイプで、ダートとはいえ中山コースで2勝しています。課題があるスタートをリカバリーしつつ、脚の使い所を考慮しながら持ち味を活かしたい。期待に結果でお応えしたい一戦です。
今週はシャイロックの子供たちという映画を観てきました。池井戸潤さんの原作らしいストーリーでキャスティングも素晴らしく、あっという間の120分でした。これは是非ともお薦めしたい作品です。そして、トレセンで皆さんから祝福を受けていたのはパンサラッサでサウジカップを制した吉田豊ジョッキー。美浦の先輩が物凄いレースを制されて、自分としても励みになりました。それにしても賞金13億超で10%の進上金は夢のような話で、落ち着かれた頃に心境を聞いてみたいと思います。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。