一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
日曜の初出走馬に期待しています
2023/3/23(木)
先週はクライノート(4人気4着)が最高着順。一回使っていい意味で馬に力が入っている感じがしました。4角の手応えからもうひと伸びほしいところではありましたが、そのあたりは次走への課題として調整していきます。アルママ(7人気5着)は最後の直線で久々感こそありましたが、しっかり掲示板で踏ん張れるあたりが地力。この馬も次走に向けてもう一段上向かせてあげたい。
この土曜は中山で2鞍に騎乗します。2Rのエクトゥシュタールはダート1200mに替わってからしっかりと走れています。前走後は疲れが出たので、この条件を目標に立て直されてきました。いい休みになっていれば互角以上に頑張れるはず。
日曜も中山で3鞍に騎乗します。1Rのサワヤカサワチャンは思いのほか走れていない現状ではありますが、今回は牝馬限定の適鞍。このあたりで次に繋がる競馬をしてあげたい。
5Rのコスモフリーゲンは自分にとってお馴染みの血統で、調教にもずっと乗せていただいています。追い切りの動きも絶好で、これが新馬であれば自信を持って臨めるレベル。既走馬相手とはなりますが、調教どおりに走ってくれればチャンスがあると思います。9Rのフェアエールングは一戦毎に進境を見せており、前走は折り合い面に収穫がありました。気持ちと体がマッチしていない部分があるので、上手に走れるように覚えさせている段階。素質は感じるので、先々は走ってくる馬です。
今週はWBCの準決勝と決勝でトレセンも大盛り上がりでした。午前8時プレイボールだったので、追い切りをこなしつつ誰もが経過を気になってならない様子。侍JAPANの優勝シーンは美浦の調整ルームが沸き上がりました。しかし、大会MVPにも選出された大谷選手は全てを持ち合わせたスーパースターですね。トラウト選手との最後の対戦には心底感動させてもらいました。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。