一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
2週連続の勝利を狙います
2023/3/30(木)
先週はコスモフリーゲン(8人気)で勝つことができました。調教どおりならチャンスがあると思っていましたが、そのとおりの走りをしてくれました。重い馬場は全く苦にしておらず、これが良馬場になっても問題ないと思います。既走馬相手の初戦であの内容ですから、この先が本当に楽しみです。
エクトゥシュタール(6人気3着)は久々でもしっかり仕上げてくださって、馬場があったとはいえ時計も詰めています。使った上積みが見込めるタイプなので次走は力が入ります。初めて乗せていただいたピカリエ(15人気3着)は、厩舎サイドや以前に乗っていたジョッキーが教えてくれたことが実になっている印象でした。折り合いもついて、一瞬は勝てるかという手応えでいい脚を使ってくれました。中山ダート1200mはマッチしていますね。
この土曜は中山で4鞍に騎乗します。2Rのエメインは今週の追い切りに乗せていただきましたが、とてもバランスがいい馬。幼さが解消して力をつけてくればどこかのタイミングで変わると思います。5Rのフェスティヴビームは、かねてからの内容から中山2000mは丁度いいと思います。前走はポジションが後ろすぎたようなので、少し流れに乗せた競馬をしてみるつもりです。
6Rのマイネルアラウダは一戦毎に少しずつ良化中。今週は乾いた馬場でやれそうなので、もう一歩前進に期待しています。9Rのマイネルイリャルギの前走はさすがに久々感がありました。使った上積みがあれば立ち回りひとつで着順は上がるはずの馬です。
日曜も中山で6鞍に騎乗します。5Rのコルテローザの前走は2走目で一変ともいえる内容でした。今週の追い切りで更にしっかりした印象を持てており、勝ち負けを意識できるタイミングにあります。6Rのマイネルズーメンは落ち着きを重視して調教を行っており、中間はいいムードです。どうしても競馬場に入るとスイッチが入ってしまうので、ダート替わりで気持ちをコントロールさせられるかがポイントです。
7Rのバーミリオンクリフは競馬で初めて乗せていただきますが、有難い陣営からの依頼。結果でお応えできるようにしっかりと研究して臨みます。8Rのペリプルスはまだ体がしっかりしていなくて緩いのですが、そんな中でも前走はタフな馬場をこなしてくれました。昇級になりますが、組みしやすい頭数なので相手なりに頑張ってくれると思います。
10Rのアルママの前走は休み明けを感じつつも頑張ってくれました。使って確実に上向いているので、揃ったメンバーの中でも何とかしてあげたい気持ちです。11Rのアインゲーブングは時計がかかる週の中山ならマッチすると思います。競馬が上手なタイプなので、ロスなく立ち回れれば今回も差はないはず。
今週は月曜の夕方から夜にかけて目黒川の花見に行ってきました。寒暖差があると桜が長く咲いてくれるそうで、火曜からまた雨が降ったことを思えば最高のタイミングでしたが、さすがに人手は例年にないくらい凄かった。それでも活気を嬉しく思いましたし、改めて頑張るぞという気分展開になりました。2場開催の中にあってチャンスがある馬を揃えていただいたので、モチベーションをそのまま結果に繋げる所存です。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。