
一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
ニュージーランドTはミシシッピテソーロに騎乗
2023/4/6(木)
先週はペリプルス(5人気4着)が最高着順。体と気持ちに幼さを残しつつも集中力が出て良くなっていました。初勝利の時と同様、ノメらずに上手く内を立ち回ってくれています。このあたりは今後も大きな強みになりますね。反対にバーミリオンクリフ(9人気9着)はノメってしまって前に進めませんでした。タイプ的にも東京コースかつ良馬場向きの印象を受けました。次走は長い休み明けを使った上積みがありそうで、是非ともまたチャンスをいただきたい一頭です。

この土曜は中山で6鞍に騎乗します。ニュージーランドTのミシシッピテソーロは続けて追い切りに乗せていただいています。どうしても馬が真面目で一生懸命に走りすぎてしまうところがあり、ハミに遊びをつくるように進めてきました。なかなか体が戻りきらないので前走くらいの馬体重になりそうですが、さすがはG1で掲示板に来ているとあっていい感触を持てています。調教どおりなら折り合えると思うので、立ち回りに気を付けて上位を目指します。
2Rのバンブトンプロの前走は1800mが堪えたように感じました。一気の距離短縮になりますが、条件がかみ合えば馬の能力的にチャンスはあると思っています。4Rのエクトゥシュタールの前走は休み明けと思えば文句なしの内容。続戦で上積みも見込めるタイプなので結果に拘りたいタイミングです。12Rのピカリエの前走は、色々とリサーチしたイメージどおりに上手くいったという3着。欲をかくと折り合いがつかないと言いますか、難しいところを持っているタイプ。馬の気持ちを損なわずに展開が向いてくれることを願いつつ乗ってきます。
日曜も中山で5鞍に騎乗します。1Rのサワヤカサワチャンは調子が整ってきた印象で、続けて使えるのが何より。もう一歩前進できると思っています。4Rのクライノートは前走後も好調を維持しています。もうひと押しという段階まできており、馬場もマッチしそうなので力が入ります。
11Rのプリマジアは意外や初の1200mですが、展開さえ向けばむしろかみ合いそうな気がします。狭い所も入っていける馬なので、ロスなく立ち回ってあげたい。12Rのサパテアールは調教の動きは良く順調にきています。この馬に関しては、どう気持ちを途切れさせないように乗るかが課題。持っている力を引き出せるように頑張ります。

今週は六本木に足を運んでルーヴル美術館展を観に行ってきました。僕が好きなジャンル(印象派)よりもひとつ前の展覧会だったのですが、その時代の背景が出ていて、とても穏やかな時間を過ごすことができました。16世紀の作品が残っているということ自体が素晴らしいですよね。6月12日までやっているそうなので、是非ともお薦めしたいスポットです。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。